皇居の東地区にあり、元江戸城跡でもある皇居付属庭園を整備し一般公開しています。
江戸城の遺構と復元された二の丸庭園のほか、東京の中心部にあるアクセスの良さと、昭和天皇や明仁上皇陛下の植物への造詣が感じられる、雑木林や果樹園などの植栽も魅力的です。
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都心のど真ん中といえる立地ですが、周囲が堀に囲まれ緑の多い別世界が広がります。
このページでは大手門から入り、時計回りで苑内を巡りながら主な見どころを紹介します。

東京駅や大手町駅からアクセスがよく、江戸城の正門に当たる大手門は、実質的な東御苑の正門といえるでしょう。大手門の他に北桔梗門や平川門からも入園可能です。なお、帰る際は、入ったときとは別の門から出ても大丈夫です。
以前は入園する際に手荷物チェックの上、入園票を受け取り退園時に返却する方式でしたが、来園客の増加のためか、現在では手荷物チェックのみとなっています。


代々皇室に受け継がれてきた美術品を公開している三の丸尚蔵館と、江戸城の検問所であった長さ50mを超える百人番所。歴史を感じさせる施設や遺構がみられます。
※三の丸尚蔵館は新施設建設中のため現在休館中です。全面開館は2026年(令和8年)秋を予定しています。

明仁上皇陛下のお考えを受けて、江戸時代に食用とされていた果樹の古品種を植栽したエリア。
写真のインド原産のダイダイの一種の「カブス」


花木の下に野草が植えられたスペース。四季折々に花が見られます。
写真2枚目は初夏に咲くオドリコソウの群落。

本丸地区に唯一現存する櫓で、遺構の中でもっとも古いものといわれています。
残念ながら内部は非公開となっています。

広い芝生広場は解放され、寝転がって休むこともできます。ただ、場所が場所だけに節度ある行動を。芝生から周囲にある各樹木園の花がよく見えます。

園内で見られる桜は30種ほどありますが、その約半数の品種が植えられているエリア。
様々な品種があるため、満開にはなりませんが、早春から晩春にかけて長期間花が見られます。


綺麗に刈り込まれた茶畑、他に芝生の周囲には竹林や果樹園、ツバキ園などがあります。
野生種が多く植えられたバラ園は、植物愛好家だった昭和天皇の趣向です。


江戸城天守閣は火事で焼失した後に建て替えられず、天守台の石垣だけが現存しています。
石垣の上に上ることができ、園内の景色を見渡せます。

天守台の向かいに建つ桃華楽堂。昭和41年に建てられた音楽堂で内部は非公開です。

江戸城を築城した太田道灌由来とされる梅園。坂道に沿ってウメが植栽されています。
それほど数は多くありませんが、比較的色々な品種が植えられています。

ウメの花単独でも美しいですが、特に背景となる石垣とウメのコントラストが見所です。


元は吹上御苑にあった茶屋を移築したもので、茶屋内部や茶庭は非公開となっています。
周囲には花木が植えられ、四季折々の表情が美しいです。写真1枚目は晩春のツツジ、写真2枚目は早春のウメが咲くころとなっています。

皇居東御苑の大きな見所のひとつであるツツジの刈り込みもの。
非常に管理状態が良く、花はもちろん、刈り込みの美しさも存分に楽しめます。
花の見ごろは4月中〜下旬ごろですが、毎年開花状況が異なるので公式SNS等で確認ください。

9代将軍家重の時代の池泉回遊式庭園を復元したもの。
庭園は、苑内の広さに比べるとややこじんまりしていますが、よく管理されています。



季節によっては多くの花が見られます。
明治神宮の菖蒲田から株分けされたハナショウブや、藤棚のフジ、美しく刈り込まれたサツキ、斜面を埋めるシャガなどが大きな見所です。


植物に造詣が深かった昭和天皇の御発案により造られた雑木林。その後に、明仁上皇陛下のお考えで拡張された新雑木林。両方とも園の性格をよく表している空間といえるでしょう。
樹木の緑陰が気持ちよい空間になっています。


樹木の緑陰はもちろん、下草の野草も見逃せません。写真1枚目はキンラン、写真2枚目はギンラン。他にも季節によって様々な野草が見られます。
場所
東京都千代田区千代田1ー1
交通手段
■公共交通機関
東京メトロ「大手町」駅より徒歩5分(大手門)
(都営三田線の大手町駅は皇居東御苑から離れているため注意)
東京メトロ「竹橋」駅より徒歩5分(北桔橋門・平川門)
JR東京駅丸の内口より徒歩15分(大手門)
(東京駅地下街を経由して大手町駅に向かうことも可能)
■車
※駐車場なし、公共交通機関利用を推奨
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.kunaicho.go.jp/event/higashigyoen/higashigyoen.html
庭園デザイン:★★★
二の丸庭園は美しく管理されているものの、ボリューム的には物足りなさがあります。また、諏訪の茶屋周辺や雑木林を含めると充実度は高まりますが、デザイン的には取り立て優れているという印象ではありません。
散策しやすい環境の中で、様々な植物を気軽に観賞できることが大きな魅力です。
植物充実度:★★★★
各季節、様々な花や植物が見られます。特に早春のウメ、晩春〜初夏のツツジ、5月下旬から6月上旬にかけてのハナショウブは大きな見所。都内では非常に珍しい、広めの雑木林にも注目です。
植物の管理状態は非常に良好。
娯楽度:★★★
ツツジの開花最盛期は誰にでも勧められる美しい景色が楽しめます。それ以外の季節は派手な景色は望めず、ゆったり散策するのに向いています。
施設としては三の丸尚蔵館がありますが、入館料がかかることは留意のこと。
苑内は静かに散策するのに向いていますが、苑を出ればそこは都内のど真ん中。東京駅周辺など周辺観光できる場所は多いです。春なら皇居外苑を通って日比谷公園に寄ってみると意外なほど花が多いことに驚くはず。北桔梗門方面にある東京国立近代美術館や科学技術館もおすすめです。
混雑度:★★★
日本の中心といえる賑やかな立地ですが、ツツジの開花最盛期以外は煩わしいほど混雑することは少ないです。サクラやハナショウブの開花最盛期など混雑する時期もありますが、苑内は広めで、オープンスペースも多くゆっくりできる場所はあります。
ただ、近年はインバウンドの増加に伴い、外国人観光客が非常に多くなっています。一応留意のこと。
交通の便:★★★★★
公共交通機関利用の場合、大手町駅や竹橋駅からはもちろん、東京駅からも広い歩道を歩いていけるので交通の便は抜群に良いです。
土日祝は皇居の外周路を走るランナーや自転車が多いので接触事故等に注意。堀の外側は巡らず、すぐに東御苑内に入ってしまえばのんびり歩けます。
車の場合、駐車場はなく、近隣のコインパーキング等に止めるかたちになります。車で訪問したい特別な事情があるならタクシーを利用したほうが無難です。
総合満足度:★★★★
江戸城の遺構、日本庭園、花木園、雑木林などがある複合的な苑内。宮内庁管轄ということで堅苦しい雰囲気かと思いきや、植物公園の性格が色濃い上品でやさしさのある施設になっています。このような施設が都内のど真ん中にあることそのものを高く評価したいです。
場所柄、入園時のチェックや巡回警備などが行われており物々しい雰囲気は多少ありますが、逆に安心できるともいえます。
備考:休苑日が月曜日と金曜日に設定されています。金曜の設定は忘れがちなので留意しましょう。
遠方から訪れる場合のお勧めの季節
早春(ウメ)
春(サクラ)
春〜初夏(野草の花)
晩春〜初夏(ツツジ、フジ、シャガ、新緑)
5月中〜下旬頃(サツキ)
5月下旬〜6月上旬頃(ハナショウブ)
晩秋〜初冬(紅葉)