福島県福島市にある花木園。地域の花木生産農家が植栽した花木畑の美しさが、周囲の景観とともに評判になり、一般公開するようになりました。写真を見てもらえれば一目瞭然。「福島に桃源郷あり」と称される美しい景色が観賞できます。
通常はシャトルバス発着所のすぐ近くにある物産ひろばから、ウォーキングトレイルを歩いて花見山入口へ向かいます。また、タクシーを利用すれば後述の花見山入口付近まで直接行けます。
物産ひろば目の前にある菜の花畑の黄色いナノハナと赤いボケの花を挟んで、花見山の景色が広がり期待が高まります。
歩行者用の通路(ウォーキングトレイル)が整備され、のんびり花見山公園入口まで歩けます。
途中でハクモクレンやサクラ、ナノハナが美しい場所があるので立ち寄りしましょう。ここは両方タクシーを使って行程を省略すると見逃しやすいエリアです。
観光案内所で花見山周辺のマップをもらったら花見山公園入口へ。
順路があるのでそれに従って歩きましょう。
山中の道は整備されており散策に不安はありません。傾斜がきつい箇所はジグザグにきってあり、一部を除けばほぼ歩きやすい道です。ただ、車椅子の利用は無理があります。
登り道の途中から所々で麓側の景色が見下ろせます。ただ、山中の道は細く混雑するので、途中でゆっくり観賞するのは難しいです。
途中、花見山公園を代表する美しい撮影スポットがあるので、寄り道するとよいでしょう。花の最盛期は、その寄り道の分岐に係員の方がいて案内してくれます。
山頂は吾妻連峰や福島市街を一望できる展望台になっており、サクラも適度に植えられています。
東屋と広場がありますが、混雑しやすくゆっくり休憩するのには向いていません。
順路に従って山頂の裏側から下っていくと、桜のトンネルがあります。
黄色いサンシュユの花も綺麗です。
下りは直線的になっているため、やや傾斜が急です。滑らないように少し慎重に歩きましょう。
途中の不倒堂や小さな庭園を観賞できます。
花見山公園入口付近にコースへの分岐があります。
花見山とは少し外れた傾斜のある車道ですが、花見山や、花見山を前景にした吾妻山を展望できる場所があり、天気が良い日ならぜひ立ち寄りたいコースです。
花見山を前景にした吾妻山の展望。運が良ければ吾妻小富士の種まき兎の雪形を観賞することもできます(写真は雪が多く雪形が隠れてしまています)。
花見山が間近に見える場所もあります。お気に入りの場所を探してみるのも良いと思います。
物産ひろばを中心に各所に売店や出店があります。食事やお土産には困らないでしょう。
ここからは花見山公園の康善寺エリアを紹介します。花見山を遠望でき、周辺の花々も花見山に負けず劣らず美しいです。また、花見山公園やウォーキングトレイルに比べて団体客が少なく、ゆっくり散策できるのも嬉しいです。
ただ、その分体力や道順の確認が必要なコースになっています。高齢の方や足が良くない方がいる場合は避けた方がよいかもしれません。
入口が分かりづらいですが、物産ひろば近くの車道に小さな標識があります。見逃さないようにしましょう。また、花見山に向かう車道の横道にも入口があります。
緩やかな傾斜のハイキング道を歩いていきます。周囲の花木はもちろん、展望に優れるとても心地よい道になっています。天気が良い日は足の進みがつい遅くなってしまうでしょう。
しばらくは吾妻山が一望できる展望の道が続きます。
康善寺薬師堂をお参りし、少し歩くと休み所があります。トイレもあるので一休みできます。
急な斜面を登ると小さな鐘のある展望台にたどり着きます。周辺は美しい景色が広がります。
展望台からさらに奥に行くとハイキング道から山道になるので、足回りが良くない方はここで引き返した方が無難でしょう。
展望台から先の山道を歩いていくと鉄塔があります。この周辺はハナモモが綺麗です。
ここからさらに先、古峰神社を経由しウォーキングトレイルを通って花の谷コースに抜けることもできますが一般的ではありません。往路を戻りましょう。
場所
福島県福島市渡利原17
交通手段
■公共交通機関
JR「福島」駅からシャトルバスで約15分。
※桜の開花シーズン限定につき要確認。
■車
東北自動車道「福島西」ICより約30分。
東北自動車道「福島飯坂」ICより約30分。
※花見山公園周辺に一般の駐車場はありませんが、4キロほど離れたあぶくま親水公園に臨時駐車場あり(無料)。ただし、シャトルバスの料金がかかります。
詳しくは下記ウェブページを参照のこと。
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:https://www.hanamiyama.jp/
庭園デザイン:★★★★
この園が桃源郷とうたわれる美しい景観になったのは、第一に色とりどりの様々な種類の花木が見られること。第二にもともとの山や谷、吾妻山がある里山の風景が美しかったおかげもあります。第三は生産農家と地域の方々の努力。これは言うまでもないことでしょう。
個人的には特に一つ目の、単一の植栽ではなくバランスよく様々な花や花色が見られることを大きく評価したいです。もし、花木がソメイヨシノだらけだったら、ここまで感銘を受ける景色にはならなかったはずです。
植物充実度:★★★★★
様々な種類や花色のサクラやハナモモが主力ですが、低木のボケ、レンギョウなども引き立て役として重要なピースになっています。同時期にナノハナも見頃を向かえとても華やかです。
花木生産農家が育成していることもあり管理状態は非常に良好です。
娯楽度:★★★★★
サクラの最盛期は誰にでも勧められるほど美しい景色が楽しめます。特に良く晴れた日は吾妻山の景色も楽しめるため満足度が高いです。
時間と体力に余裕があれば、追加で康善寺エリアも巡ってみるとより楽しめるでしょう。
混雑度:★★★★★
園内は広いですが団体客が多く混雑感は強いです。特に花見山山中はオープンスペースが少なくあまりゆっくりできません。
康善寺エリアは団体客があまり来ないので、土日でも比較的混雑度は低いです。
交通の便:★★★
公共交通機関利用の場合、福島駅からシャトルバスが利用できますが、最盛期は乗車待ちの長い行列ができるほど混雑します。多少お金がかかりますが定額タクシーを使うのも一考。タクシーだと花見山のふもとまで行けるのも利点です。
車の場合、高速のインターチェンジから少し離れており、臨時駐車場からシャトルバスに乗る必要があるためやや悪いです。ただ、園ができた経緯を考えれば十分な配慮がされていると思います。
総合満足度:★★★★★
写真で十分魅力は伝わるかと思います。花好きな方なら一生に一度は行きたい花園です。
展望に優れることが大きな魅力なので、できれば澄んだ晴天のときを選んで出かけたいです。山の天気は変わりやすいので、天気に恵まれた場合は先に花の谷コースを観賞するのがよいでしょう。
ボランティアの方が多く、地域全体で盛り上げている様子が好ましいです。こちらも観賞マナーをしっかり守りたいところです。
遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春(各種サクラ、ハナモモ、ボケ、レンギョウ、モクレン、ナノハナ)