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花の名所・ガーデン・植物園訪問記

花の名所・ガーデン・植物園訪問記

白馬五竜高山植物園

長野県白馬村にある高山植物園。夏のスキー場の斜面を活用しています。各種高山植物はもちろん、ゴンドラでアクセスする非日常感と、展望の良さも見どころです。

エスカルプラザ

エスカルプラザ
ビジターセンターやレストラン、お土産屋コーナーなどが入る山麓側の中心施設。植物園の実質的な入場料であるテレキャビン(ゴンドラ)とアルプス展望リフトの料金はこちらで支払います。
アルプス展望リフトは、足に自信があれば乗らなくても観賞可能ですが効率は悪くなります。リフトからの景色も見所の一つなので、一度は乗ってみるとよいでしょう。

テレキャビンのとおみ駅

テレキャビンのとおみ駅ゴンドラからの景色
ここからテレキャビンに乗車できます。こちらでもゴンドラやリフトの料金は払えます。
白馬村を見下ろしながら、8分間の空中散歩が楽しめます。

園内の地図(クリックすると拡大します)

白馬五竜高山植物園マップ
山麓よりテレキャビンで、一気に約1500mの尾根上まで上がります。
さらにアルプス展望リフトで植物園最上部まで上り、下りながら鑑賞するとよいでしょう。

アルプス平駅

アルプス平駅
アルプス平広場
テレキャビンの山頂駅とレストラン。施設の中にはビジターセンターや休憩所があります。
駅の前は広場になっていて、休憩や園内ガイド等の集合場所になっています。

アルプス平広場

アルプス平広場の花壇と唐松岳
アルプス平広場にある花壇には見栄えのする高山植物がまとめて植栽されています。

アルプス展望ペアリフト

アルプス展望ペアリフト乗り場
アルプス展望ペアリフト
植物園に入ったらまず、斜面を下りアルプス展望リフトに乗りましょう。少し急な上り道を省略できるうえ、リフト乗車時に園路からとは違う景色を見ることができます。

アルプス展望リフト終点

アルプス展望リフト終点
リフトで植物園の最上部まで上ってきたことになります。ここから植物園斜面を下りながら観賞するのですが、天気の良い日はアルプス平自然遊歩道に寄り道してみましょう。周遊30分程度です。

地蔵ケルン

地蔵ケルン地蔵ケルン
アルプス平自然遊歩道の途中にある地蔵ケルン。周辺の眺めが良いです。
なお、ここから少し奥側に進むと、さらに小遠見山トレッキングルートが分岐していますが、ハイキングや登山の領域になるので、植物園目当ての方は立ち入らないようにしましょう。
分岐では地蔵の沼方面に向かいます。

アルプス平自然遊歩道と、地蔵の沼

アルプス平自然遊歩道
地蔵の沼
遊歩道には小さな湿原や沼があります。道はしっかりしておりスニーカーでも問題ないです。花も見られますが、落葉樹の多い道で新緑や秋の紅葉も美しいです。
地蔵の沼のほとりで咲く朱色の花はレンゲツツジ。

シモツケソウ群生地

シモツケソウ群生地
アルプス展望リフト終点から少し下ったところにあるシモツケソウ群生地。最盛期は例年7月下~8月中旬ごろ。花の数が多く、群落の面積も大きいので見ごたえがあります。

高山の花エリア

高山の花エリア(コマクサ)
長野県の標高2500m付近に見られる高山植物が植えられたエリア。
この辺りはコマクサの群生地になっています。最盛期は7月で、シモツケソウに並ぶもうひとつのメインの花といえます。その他の花も高山植物のためか、背丈が低い花が多いです。

白馬連峰高山植物生態園

白馬連峰高山植物生態園
チングルマの種
白馬連峰で見られる高山植物を、標高に合わせた植物群落で植栽しています。このあたりは周囲の山々の眺めが良く開放感があります。6月に咲くウルップソウやチングルマ、チョウノスケソウが大きな見所です。
写真2枚目はチングルマ(稚児車)の種。風になびく姿が美しいです。同時期にコマクサの花も見られます。

スイスアルプス・ヒマラヤエリア

スイスアルプス・ヒマラヤエリア
ヒマラヤの青いケシ
ヒマラヤの青いケシやエーデルワイスなど外国の高山植物が植栽されたエリア。斜面がきつめですが、その分花を間近に見ることができます。青いケシは7月が最盛期。

山の花エリア

山の花エリア
山の花エリア
長野県の標高700mから2000m付近に見られる花が植えられた、山の花エリア。
ニッコウキスゲなど、比較的背の高い花が多くなり量感があります。

草原の花エリア

草原の花エリア
草原の花エリア
白馬山麓の原風景をイメージした草原風のエリア。アルプス展望リフトの始点に行く際に見ることもできますが、最後に辿ってきた道を見上げてみるのも良いでしょう。
写真2枚目の紫の花はヒオウギアヤメ。黄色の花はニッコウキスゲ、

様々な高山植物

クルマユリ
エーデルワイス
レブンコザクラ
様々な高山植物が自然な雰囲気でみられるのが大きな魅力。観賞したり写真撮影したりする分には登山や植物園の温室で見るよりも適しています。
写真1枚目はクルマユリ。2枚目はエーデルワイス。3枚目はレブンコザクラ。

北アルプスの展望

北アルプスの展望
アルプス平駅にある屋上デッキから眺めた北アルプスの展望。左の高い尖った山が五竜岳、右の緩やかな山が唐松岳です。よく晴れた日は素晴らしい景色が見られます。ただ、観光目的であれば晴れの日が良いと思いますが、花が目当てならば曇りの日でも十分楽しめると思います。

エスカルガーデン

テレキャビンでとおみ駅に戻りますが、余裕があればエスカルプラザ前にあるエスカルガーデンも観賞するとよいでしょう。時期にもよりますが、様々な花が見られます。

エスカルガーデン(水の流れ付近)

エスカルガーデン(水の流れ付近)
とおみ駅からエスカルプラザに続く道は、水の流れもあり雰囲気が良いです。

エスカルガーデン(花畑)

エスカルガーデン(花畑)
エスカルガーデン(花畑)
ナチュラルガーデン風に植えられた花も美しいです。時期によっては、高山植物園の花畑の量感を上回っていることもあります。
さらに樹木やファニチャー等があれば…というところですが、冬はスキー場になるということで樹木の植栽等は難しいのかもしれません。

施設の概要

場所
長野県北安曇郡白馬村神城22184−10

交通手段
■公共交通機関
JR「神城」駅よりシャトルバス「エスカルプラザ」バス停下車すぐ。
アルピコ交通「白馬五竜」バス停よりシャトルバス「エスカルプラザ」バス停下車すぐ。
JR「長野」駅より特急バス「エスカルプラザ」バス停下車すぐ。
■車
長野自動車道「安曇野IC」から約1時間。
上信越自動車道「長野IC」から約1時間。
北陸自動車「糸魚川IC」から約1時間。
駐車場あり(無料)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.hakubaescal.com/shokubutsuen/

My impression

庭園デザイン★★★
単調な斜面にロックガーデンや水の流れ等、様々な趣向を凝らしているのは好感が持てます。ただ、冬はスキー場となるため樹木等が少なく、変化に乏しい面は否めません。その分開放感はあります。
意図的なものかは分かりませんが、花畑の量感を味わえるエリアと、個々の花をじっくり見るエリアに自然な印象で分かれているのは良いと思います。

植物充実度★★★★
各種高山植物が多く見られます。実際にこれだけの高山植物を登山中に見ることは難しく、非常に有り難い施設となっています。また、平地の植物園ではあまり見かけない珍しい高山植物や、青いケシ類等の見栄えのする高山植物もあります。
おすすめの季節はシモツケソウが咲き、全体的な花数も多い8月上~中旬。コマクサや青いケシの咲く7月。地味な印象はありますが様々な種類の花が見たいなら6月も選択肢に入ります。
高山植物園だけでなく山麓のガーデンも美しいので、時間があれば散策するのも楽しいです。
植物の管理状態は良好。

娯楽度★★★★
7月から8月の高山植物の開花最盛期は、花に興味が薄い方と一緒でも楽しめると思います。それ以外の季節は少し地味な印象なので、なるべく花が好きな人と一緒に楽しみたいところです。
ゴンドラやリフトの乗車も娯楽として楽しめます。そういった意味でも、晴れた日とそうでない日では印象が大きく異なるので、観光目的ならなるべく晴れた日に出かけたいです。
アルプス平自然遊歩道は1周しても軽いハイキング程度ですが、紅葉の時期以外の眺めが悪い日は無理に巡らなくてもよいかもしれません。

混雑度★★★
夏休みの期間はやや混雑します。ゴンドラ乗車で待たされることもあるでしょう。一方で、施設内は広く、オープンスペースも多いため混雑感はやや低いです。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、最寄りの神城駅および、長野駅から白馬方面の高速バスの停車バス停となっている白馬五竜バス停から出るシャトルバスを利用するのがよいでしょう。本数は少ないですが、長野駅からエスカルプラザバス停に直通する高速バスもあります。
車の場合、大きめの駐車場があります。ただ、高速道路を出てから一般道を長時間走る必要があります。日程的に日帰りは厳しいので、白馬や大町などで宿泊するのを推奨します。

総合満足度★★★★
夏には草原となる、スキー場の斜面を利用した高山植物園。ユリやラベンダーなどの大規模な単一の花園ではなく、様々な種類の花を自然な雰囲気で楽しめるのが大きな魅力です。一方で、コマクサやシモツケソウの花畑や、人気の青いケシ類もかなりのボリューム感で観賞できるのは嬉しいところ。
眺めの良い日と、そうでない日で印象に差ができやすいです。山々が綺麗に見えるかは運頼みなところがありますが、見晴らしの良い日を狙いたいところです。一方で、個々の花をじっくり楽しみたいなら曇りの日もよいでしょう。
白馬は車でのアクセスに難があり、最寄りのインターからは時間がかかります。また、バスや電車も本数が少なかったり、運行日が限定されていたりするので、事前の計画が大事。その分、霧ヶ峰等の有名な高原に比べると混雑しにくいです。
最寄り駅やバス停を経由するシャトルバスを設定してくれているのは好感が持てます。こういった配慮は満足度に大きな差ができると思います。

備考:園内は日差しを遮るものがないので、帽子や日焼け止め等の準備は忘れずに。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
6月(背が低めの高山植物)※6月は植物愛好家向け。
7月(青いケシ類、ニッコウキスゲ、高山植物)
8月(シモツケソウ、高山植物)

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