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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

秩父宮記念公園

秩父宮記念公園は静岡県御殿場市にある有料公園。もとは昭和天皇の弟である秩父宮殿下が1941年(昭和16年)から10年間在住していた別邸で、1995年(平成7年)に御殿場市に遺贈されたのち園内を整備し、2003年(平成15年)に開園しました。秩父宮家に関する展示のほか、ヒノキ林やシダレザクラ、各庭園などにある花を観賞することができます。

園内地図(クリックすると大きくなります)

秩父宮記念公園マップ
園内は細長くわかりやすい動線となっています。ここでは正門から入り、森のエントランスのヒノキ林を通って、受付から反時計回りで主な見どころを紹介します。

森のエントランス

森のエントランス
正門から入ると立派なヒノキ林が広がる森があります。正門から受付がある中門まで道がほぼ直線のため、まるで並木道のようになっています。

秩父宮メモリアルガーデン

秩父宮メモリアルガーデン(春)
秩父宮メモリアルガーデン(夏)
花木や草花、球根類が多く植えられている庭園。四季にわたって花が見られますが、サクラやツツジなどの花木や、下草の球根類の花が咲く春が一番の見所。
土地にあった野菜が植えられた畑があるのも特徴です。

林の小路と、下草のユキワリソウ

林の小路ユキワリソウ
脇道にも季節のよっては多くの花が見られるので、掲示板等で見頃の花を確認したいです。

母屋としだれ桜

母屋としだれ桜
御殿場市の農家として1723年に建てられ、この地に移築された茅葺屋根が特徴の母屋。
両側に植えられたシダレザクラが咲くころは特に美しいです。

母屋とアメリカフヨウ

母屋とアメリカフヨウ
母屋にいたる道に咲くアメリカフヨウ。夏らしい景色です。

母屋外観

母屋外観
秩父宮殿下の療養先として利用されていた別邸。
母屋は内部も観賞が可能ですが、入口はこちら側ではなく記念館を経由する形になっています。

母屋から見た富士山

母屋から見た富士山
母屋が建つ場所は高台になっていて富士山がよく見通せます。天気さえ良ければ富士山はいつでも望めますが、美しく雪を被る晩秋や春は特に見事です。
妃殿下は、殿下の療養先には富士山の見える場所を希望され、この地と建物が選ばれたとのことです。

銅像

秩父宮殿下の銅像秩父宮殿下の銅像
登山服姿をした秩父宮殿下の銅像が母屋の建つ高台に設置されています。
銅像は富士山に向けて設置されています。

母屋奥の東屋と、シダレザクラ

母屋奥の東屋シダレザクラ
母屋奥はバーベキューに使われていたという東屋のある芝生の広場になっていてます。
春に咲くしだれ桜が見所。

憩いの庭と、つばき園

憩いの庭つばき園
草花や宿根草が植えられた花壇のある広場。落葉樹が多い明るめの林が広がります。
すぐそばには早春から春が見ごろのツバキ園があります。

もみじ園

もみじ園
緩い坂道の両側にモミジが植栽されており、新緑や紅葉の時期は美しいです。
季節によっては、下草にユキワリソウなどの山野草の花が多くみられます。

防空壕

防空壕防空壕
秩父宮殿下が別邸に在住していた際は第二次大戦時下にあり、空襲に備えて防空壕が造られていました。御殿場周辺でも当時空襲があったとのことです。

ロックガーデンと、記念館

ロックガーデン記念館
記念館前にあるロックガーデンは主に箱根や富士山に見られる山野草が植えられています。
記念館は秩父宮家から遺贈された様々な品を展示しています。

母屋(リビングと、炉の間)

母屋(リビング)母屋(炉の間)
母屋の内部は見学が可能で、英国風のリビングや、囲炉裏のある和室などを観賞できます。

うぐいす亭と、売店休憩所

うぐいす亭売店休憩所
園内にはケーキなどが楽しめるカフェのうぐいす亭や、お土産が買える売店休憩所があります。
売店休憩所は明るく広々としているので散策の最後に一息つくのに適しています。

施設の概要

場所
静岡県御殿場市東田中1507−7

交通手段
■公共交通機関
JR「御殿場」駅から無料送迎バスあり(詳細は公式サイト参照)。
JR「御殿場」駅から富士急バス「秩父宮記念公園」下車、すぐ。
JR「御殿場」駅から箱根登山バス「二の岡」下車、徒歩1分。
東名高速道路「東名御殿場IC」バス停から徒歩10分。
■車
東名高速道路「東名御殿場IC」から約3分。
駐車場あり(有料)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:https://www.chichibunomiya.jp/

My impression

庭園デザイン★★★
余裕がある植栽間隔で、自然な雰囲気に植えられた各種花木や山野草が好ましいです。もとの自然を生かしたヒノキ林も庭園の導入として非常に役に立っています。
母屋の配置は富士山を見渡す絶好の場所になっています。

植物充実度★★★★
派手な園芸植物は少ないですが、花木や山野草が多くみられます。特に春は多くの花が見られ充実度が高いです。また、標高500mという場所のためか紅葉の発色が良いのも特徴。

娯楽度★★★
シダレザクラや各種花木が咲く春は美しく、花にそれほど興味がない人でも楽しめると思います。それ以外の季節も母屋からの富士山や記念館の展示、皇室由来のお土産など見所があります。
御殿場プレミアムアウトレットや箱根仙石原から近いので、観光コースに組み入れるというのも良いでしょう。

混雑度★★★
シダレザクラの最盛期はやや混雑し、大型連休や観光シーズンは少し混雑します。園内は比較的広めで、オープンスペースもあるので混雑時でもゆっくりできる場所はあります。

交通の便★★★★★
公共交通機関の場合、御殿場駅から無料送迎バスがあり非常に良い評価。さらに御殿場駅や箱根の仙石原からもそこそこの本数でバスの便があります。また、東名御殿場ICのバス停からも徒歩でアクセス可能です。
車の場合、駐車場がやや狭いものの、インターからも近く、こちらも良い評価です。

総合満足度★★★★
各ガーデンは雑木や山野草の多い、全体として自然な雰囲気の憩いのある空間になっています。皇室由来ということで、どことなく上品な印象があるのも好印象。
各季節様々な花を咲きますが、遠方から訪れるならサクラなどの花木や草花・球根類が多く咲く春から初夏がお勧めで、特にシダレザクラの咲く時期が一番の見所になります。ただ、シダレザクラの最盛期は非常に短く、さらに富士山が見えるような晴天も合わせるとなると難しいです。アウトレットや箱根の観光も併せて訪れる時期は多少妥協するのが良いと思います。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春(サクラ、ツツジ、ツバキ、山野草、草花類)
4月上旬頃(シダレザクラ)
初夏(花木、新緑、シャガ、山野草、草花類)
晩秋(紅葉)

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