大沼公園(大沼国定公園)は北海道南部の渡島半島中央部、七飯町、鹿部町、森町の3町にまたがって広がる自然公園。雄大な活火山の北海道駒ケ岳と、大沼・小沼・じゅんさい池の3つの湖、その湖に浮かぶ120以上の小島の景観が、まるで自然が作り出した庭園のように美しく、古くから観光名所となっています。
大沼公園の範囲は広大ですが、主な周遊地域は大沼公園駅近辺にある4つの散策路と、大沼の湖畔になります。植物関係でいえば夏のスイレンと、秋の紅葉が見所です
散策路は4つですが、島巡りの路と森の小路は行程の大部分が被っているので、実質3つの散策路になっています。ここでは、まず所要時間が短い大島の路を巡り、島巡りの路+森の小路、夕日の道の順で紹介します
大沼公園観光の中心拠点。駅から見所まで徒歩でも時間がかからない、アクセスの良さは大沼公園の大きな魅力です。近くには有料駐車場もあります。各売店のほか、レンタサイクルなどのアクティビティの受付もあるのでチェックしておきましょう
大沼公園駅から徒歩5分程度で着く、公園入口といえる広場。広々としており、目の前には駒ケ岳が大きく見えます。遊覧船のりばもあります。ここからまず、散策路の右にある西大島橋を渡って、大島の路に向かいましょう
大島の路は所要時間が短く、全体的に平坦で、車いすでも巡れるようになっています(自転車は進入禁止)。ただ、ここを巡るだけでは大沼公園の魅力を満喫することはできません。また、このあたりにはスイレンの花はほとんどありません
西大島橋という大きな橋を渡って、西大島に入ります。橋の上からは西大島を前景に、駒ケ岳が綺麗に見えます
島の北側も駒ケ岳が綺麗に見えます。「千の風になって」のモニュメントがポイントになっています
西大島のとなりにある東大島。展望はありませんが周辺の樹木が美しいです
大沼公園の核心部である7つの島を橋を渡りながら巡り、続いて石楠花島周辺の美しい樹林を観賞しながら公園広場に戻るルート。駒ケ岳の展望、スイレンの花、紅葉を効率よく楽しみたいなら、この散策路を巡ると間違いないでしょう
ここからは車両通行止めの徒歩になります。橋の先の陸地は岬状になっている部分で、まだ島ではありません。後楽橋を渡ると左右の分岐になっていますが、順路は向かって右の公魚橋方面になります
しばらくは快適な広い道を歩きます。湖側は西大島橋や西大島が大きく見渡せ、陸側には綺麗な紅葉が見られます
まるで池の中島を橋で巡っているような、庭園的な景観が楽しめる場所です。
この周辺はスイレンが多く見られます
色々な形の橋を渡っていきます。手摺の色も判別の目安になります
大小の小島が浮かぶ、湖の景色が眺められます。湖側は海のように雄大で、湖畔側は池のようにしっとりとした雰囲気です
四方に開けた眺めの良い橋。陸地側にはスイレンが咲いています。湖畔にあるレストランがアクセントになっています
いったん、島巡りの路を離れてレストラン奥にある道を歩くと、駒ヶ岳が美しく見えるビュースポットがあります。駒ヶ岳が見渡せる晴れの日は、ぜひ寄り道していきましょう
レストラン脇を通って石楠花橋方面に向かいます。湖に沿った道が続き、所々で展望が開けます。また、風当たりが弱めなのか、小島周辺よりも紅葉する樹木が美しいです
駒ヶ岳側の展望はなくなりますが、樹木と湖の景色が美しい道を歩きます。石楠花島を経由して最後に後楽橋に戻ってきます
西側の展望が広がり、名の通り夕日がきれいなポイントがある道。公園広場から少し外れた位置にあるため、団体客が少なく静かに散策が楽しめます。一方で、他の散策路に比べると野性味が強く、整備が行き届いていない道もあるので念のため注意しましょう
公園広場、または駅から少し歩いて、踏切で線路を渡ります。
しばらくは車も通れるような、やや広い道を歩きます
西側の湖畔の道は小沼の景色が開けます。このあたりもスイレンが多いです。
また、夕日が綺麗なビュースポットにもなっています
さらに奥に進むとスイレンや紅葉が綺麗ですが、この先の道は不明瞭なことも多いので、不安を感じたら道を引き返すのもよいでしょう
途中に昭和寺への分岐があります。時間があればお参りしていくと良いでしょう。特に紅葉の季節は見所が多いです。
大沼公園の散策路はここまでで終了になります
余裕があれば大沼周辺の見所を巡ってみましょう。車でも巡れますが、駐車場がない見所が多く、路駐しなければなりません。体力と時間があれば気軽に駐車できるレンタサイクルを使うのがおすすめ。雪がない時期はいつでも楽しめますが、特に紅葉の季節がお勧めです
自転車で湖畔を一周すると70〜90分程度かかります。体力と時間を考慮しておきましょう。高低差はそれほどありませんが、距離を考えれば電動自転車を借りる方がよいでしょう。ここでは反時計回りで地図上に赤で囲ったポイントを紹介します
南側の道は湖の展望はありませんが、道が広く快適です。大沼の南側にはいくつか駒ヶ岳を望むビューポイントがあります。ポイントの近くには駐輪場が配置されているので目安になります
樹林が美しい木道を辿って、終点には駒ヶ岳が見渡せます。周辺には花や紅葉する樹木が多く、このスポットは見逃さないようにしたいです
周囲の紅葉が綺麗な神社。神社内には大きな岩があります。
また、神社前の大岩園地付近から大沼森林公園までの道は、湖が見渡せる場所がいくつかあります
紅葉する樹林が楽しめる公園。セミナーハウスもあります。
また、駒ヶ岳神社から大沼森林公園間の道路は特に紅葉が美しく、大沼と紅葉とのコラボも楽しめます
大沼と小沼の間に架かる月見橋を渡って、大沼公園駅周辺に戻ります。最後に遊覧船やボートに乗って、今日の行程を振り返るのもよいでしょう。また、ちょうど日没前後の時間であれば、途中の夕日の道の立ち寄っていくと思わぬ景色が見れるかもしれません
場所 | 北海道亀田郡七飯町字大沼町 |
交通 | ■公共交通機関 JR「大沼公園」駅から徒歩約5分。 新函館北斗駅や函館空港からバスの便もあります。 車: 国道5号線、西大沼交差点より約5分 駐車場あり(有料) |
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照 | |
URL | http://onumakouen.com/ |
My impression | ||||
マニア度 | 娯楽度 | 混雑度 | 交通の便 | 総合満足度 |
☆ | ★★ | ★☆ | ★★★ | ★★★☆ |
自然が造りだした、まるで日本庭園のような景観と、駒ヶ岳の展望をはじめとしたスケールの大きな景色が調和した自然公園。適度に観光地化されていますが、景観部分はむやみな開発はせず美しく保たれているのは好感が持てます。また、見所の多くが徒歩で動ける範囲の、散策路部分に集中しているのも高評価です。 植物観賞の見所は夏のスイレンと、秋の紅葉。一般的には紅葉の美しさで有名ですが、スイレンの花も負けないぐらい見所が多いです。 湖から駒ヶ岳を見渡せる景色が魅力です。一方で、散歩路部分の小島が多い地域は、運悪く駒ヶ岳が雲で隠れていても景観を十分楽しめます。ただ、紅葉の美しさや、スイレンの花の開き具合を考えると日差しがある日がよいでしょう(日差しがないと花が十分開かないことが多い)。 園内は広く開けており混雑感は低いです。秋の紅葉の最盛期は団体客が多くなりやや混雑します。 公共交通機関利用の場合、特急も停車する大沼公園駅が公園から非常に近く高評価。これ以上ないといった立地です。 車利用の場合も広い駐車場が使えます。紅葉最盛期でもなければ満車の心配はいらないでしょう。 |
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注目の花(色付き文字は特におすすめ) 夏:スイレン 晩秋:紅葉 |