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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

大宮盆栽美術館

盆栽業者の多い大宮盆栽村の近くにある、公立の盆栽美術館。日本を代表する盆栽の展示のほか、盆栽にまつわる盆器や水石、各種資料などを収集・展示しています。
従来の美術館に近いギャラリー部分と、盆栽の屋外展示が楽しめる盆栽庭園に大きく分かれています。

園内の地図(クリックすると拡大します)

大宮盆栽美術館の地図
やや狭めの園内。ゆっくり回っても一時間はかかりません。
館内は順路が設けられており、ここでは順路通りに主な見どころを紹介します。

美術館西門

美術館西門
駅からくる場合は西門から美術館に入ります。和風の美術館らしい落ち着いた雰囲気。
車の場合は反対方向に駐車場があり、東門から入るかたちになります。

エントランスロビー

エントランスロビーおかめ桜
エントランスロビーには季節の一鉢置かれており、写真撮影が可能です。
順路はまず、常設展示室の細長いコレクションギャラリーに進みます。
写真2枚目の盆栽はおかめ桜。

コレクションギャラリー

展示は盆栽の歴史や解説、盆栽、格式に応じた座敷飾りなど。フォトジェニックな場面が続きますが、ギャラリー部分は写真撮影不可なので、ここは落ち着いて鑑賞を楽しみましょう。
また、離れに企画展示室もあるので忘れずに立ち寄りましょう。盆栽に関する歴史展や美術展などが行われています。

盆栽庭園(東側)

盆栽広場(モミジ)
盆栽広場(イワシデ)
ギャラリーから中庭に出ると、目隠しのある写真撮影に適した一角が設けられています。
展示は季節で入れ替わります。写真1枚目はモミジ、写真2枚目はイワシデ。

盆栽庭園(西側)

盆栽庭園
盆栽庭園
中庭は、常時数十点の盆栽が展示された盆栽庭園になっています。
美術館のメイン展示で、様々な方向から盆栽を観賞することができます。
写真撮影が可能です。

盆栽庭園の盆栽いろいろ

五葉松「千代の松」
野梅
写真1枚目は美術館所蔵品の中でも最大級の盆栽、五葉松「千代の松」。日射を均等に当てるため回転台の上に置かれているのが分かります。
写真2枚目は野梅。季節によっては花や実、紅葉が楽しめる盆栽が置かれることもあります。

幹に注目

五葉松「うず潮」
真柏「寿雲」
盆栽には様々な見どころがありますが、個人的に注目したいのが幹。
写真1枚目は五葉松「うず潮」。推定樹齢は約500年。
写真2枚目は真柏「寿雲」。こちらは推定樹齢は約800年とのことです。年月を重ねた幹の形状の妙が興味深いです。

盆栽庭園(盆栽テラスより)

盆栽庭園(盆栽テラスより)
水鏡
建物側2階にある盆栽テラスから、盆栽庭園を見下ろせます。
池に映る、独特な形になる盆栽の水鏡も見所です。

大宮盆栽美術館の紹介はここまで。東門から駐車場を通り、大宮盆栽村に向かいます。

大宮盆栽村

盆栽美術館周辺から歩いて数分の所に大宮盆栽村があり、そこには盆栽業者(盆栽園)や、盆栽にまつわる施設が複数あります。その中で、代表的なものを簡単に紹介します。
なお、各所にある盆栽園は営業しているなら基本的に入園可能ですが、公的施設ではないため、内部の写真や動画撮影等は不可となっています。マナーを守って鑑賞しましょう。

盆栽園の「清香園」

清香園入口
大宮盆栽村の盆栽園の中でも、見学者にフレンドリーな施設のひとつの「清香園」
庭園のような前庭と、所狭しと盆栽が置かれた後庭があり、どちらも見所があります。
また、盆栽の購入が可能で、定期的に盆栽教室も開かれているようです。

他にも写真はありませんが、大宮公園駅に近い「芙蓉園」も個人的にお勧めの盆栽園です。

盆彩四季の家(休憩施設)

盆彩四季の家(外観)盆彩四季の家(内部)
盆彩四季の家は、大宮盆栽村散策の際の休憩施設となっています。なお、盆栽や、盆栽に関する展示はありません。
一休みできる憩いの場所として覚えておくとよいでしょう。

観光地として整備されている大宮盆栽村

観光地として整備されている大宮盆栽村
大宮盆栽村は道順を示す看板や、歩道が整備されており分かりやすいです。
盆栽美術館は宇都宮線の土呂駅に近いですが、帰りは東武線の大宮公園駅を利用するつもりで、大宮盆栽村を巡ると旅行の満足度も高まるでしょう。

施設の概要

場所
埼玉県さいたま市北区土呂町2−24−3

交通手段
■公共交通機関
JR「土呂」駅より徒歩で約5分。
東武「大宮公園」駅より徒歩で約10分。
■車
首都高速埼玉新都心線「新都心西IC」より約10分。
東北自動車道「岩槻IC」より約15分。
駐車場あり(2時間まで無料)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.bonsai-art-museum.jp/

My impression

庭園デザイン★★
美術館の印象により近いギャラリー部分は、照明下で落ち着いた雰囲気で鑑賞できます。中庭部分にある盆栽庭園では、太陽光の下で明るい自然な雰囲気で観賞できます。盆栽の背景としても見えてくる美術館の建物が和風(木造ではないですが)なのも良い点です。
ただ、全体的なボリュームにはやや不満があります。盆栽庭園のデザインももう一工夫欲しかったところです。

植物充実度★★★
日本を代表する立派な盆栽が楽しめます。春や晩秋は花や紅葉・実が楽しめますが、盆栽は常緑の松や真柏(しんぱく)の松柏(しょうはく)盆栽や、枝ぶりが楽しめるモミジやケヤキといった雑木盆栽が多いので、いつ訪れても楽しめると思います。
植物の管理状態は非常に良好です。

娯楽度★★★
盆栽に興味があれば楽しめると思います。ただ、一番写真映えすると思われるギャラリー部分が写真撮影不可なのは承知のこと。基本的には落ち着いて見学するのに向いています。
周辺観光は、歩いて数分で行ける大宮盆栽村をセットで考えておくとよいでしょう。各種盆栽園のほかに、さいたま市立漫画会館もあります。
大宮公園駅から南に少し足を伸ばせば、大宮公園があり、氷川神社や埼玉県立歴史と民俗の博物館、小動物園のほか、春にはサクラも楽しめます。

混雑度★★★
基本的にはそれほど混雑せず、ゆっくり鑑賞が可能です。ただ、館内はそれほど広くないので土日祝や団体客がいる場合はそれなりに混雑感があります。

交通の便★★★★★
公共交通機関利用の場合、駅から近く非常に良いです。
車の場合、やや広めの駐車場があり、大きな問題はないでしょう。

総合満足度★★★
盆栽の美術館という興味深い施設。それだけでも貴重な存在といえます。盆栽そのものはもちろん、盆栽の歴史や知識、資料の収集をし、盆栽文化を広く発信するというコンセプトも良いと思います。
また、盆栽庭園全体が撮影可能なエリアになったことで楽しみが増えました。現代の価値観に合わせて改善を加えている姿勢は素晴らしいと思います。
一方で、館内は狭く、もう少し展示のボリュームが欲しいのが正直なところではあります。盆栽美術館だけでなく、周辺施設もセットで旅程を考えるとよいでしょう。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
周年(松柏盆栽)
春(花)
春〜晩春(新緑)
初夏(サツキ)
晩秋(紅葉・実)
冬(雑木盆栽)

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