光前寺は長野県駒ヶ根市にある天台宗の寺院。開基が貞観二年(西暦860年)と歴史があり古くは広大な寺領を持つ寺院でした。現在も宝物や杉の巨木などにその名残があります。
境内全域は光前寺庭園という名勝庭園に指定されており、中でも本坊客殿奥の築山泉水庭園が大きな見所。他にも、シダレザクラが多く植えられており開花最盛期には美しい景色を観賞できます。また、駒ヶ根高原を含めて紅葉の時期も見所が多いです。
金剛力士像が安置された寺院入口の仁王門。門のそばにあるひときわ立派なシダレザクラの量感は素晴らしいです。仁王門をくぐり参道を進んでいきましょう。
参道からいったん外れて右手の道の本坊へ向かいます。本坊前の庭はモミジが多く紅葉の時期が美しいです。ここから先の本坊内部や宝物殿、本坊客殿奥の庭園部分は有料施設です。
宝物殿内の立派な仏像群を見学しながら先に進むと、本坊の奥側に築山泉水庭園があります。前面に池を配し、自然の傾斜を利用し石組や植物、滝を配しています。築造年や作者等は不明とのことです。
直線上に続く杉並木。両側の石垣の間にはヒカリゴケが自生しています。
長野県では善光寺に次ぐ規模の立派な三門。
三門と本堂の間にある池庭。滝付近の石組が見所です。
立派な本堂。お参りしていきましょう。
本堂には光前寺の伝説的な霊犬である早太郎の像が飾られています。早太郎伝説の概要については公式ウエブページやパンフレット等を参照ください。
南信州唯一の三重塔で高さ約17m。三重塔の均整のとれた姿や彫刻の見事さはもちろん、周辺の樹木と合わせた全体の雰囲気が良いです。
鐘楼付近や境内南側には自然を生かした遊歩道があり、季節の花が見られます。
大講堂前には池のある庭園があり、多くのシダレザクラが植えられています。
また、東側にある駐車場付近からは中央アルプスとシダレザクラを同時に観賞できます。左奥のちょこんと高い山が宝剣岳です。
仁王門を出て北側駐車場沿いのシダレザクラも綺麗なので観賞していきましょう。
シダレザクラの開花期には光前寺手前の畑でスイセンが咲き乱れます。天気が良い日は南アルプスの展望も同時に楽しめます。
場所
長野県駒ヶ根市赤穂29
交通手段
■公共交通機関
JR「駒ヶ根」駅からバス「切石公園下」下車、徒歩約10分。
■車
中央自動車道「駒ヶ根IC」から約20分。
※駐車場あり(無料)
入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.kozenji.or.jp/
庭園デザイン:★★★
本坊奥の庭園は規模はそれほど大きくないですが、苔むした石組や根上りした樹木たちは歴史を感じさせてくれます。立派な杉の並木や、小川が流れる自然探勝路、苔むした古道など様々な景色を楽しめるのも魅力です。
植物充実度:★★★
シダレザクラが多く植えられ充実しています。紅葉する樹木が多いので紅葉時も楽しめます。それ以外の時期は大きな見所は少ないです。植物の管理状態は良好。
娯楽度:★★★★
シダレザクラの開花最盛期は美しい景色が楽しめます。紅葉の時期もよいでしょう。これらの時期はライトアップが行われています。それ以外の季節は派手な景色は望めず、静かに参拝するのに向いています。周辺は駒ヶ根高原の様々な観光施設があるので事前にチェックしておくとよいでしょう。駒ヶ根ロープウェイや千畳敷も観光したいなら出来れば周辺で宿泊したいところです。
混雑度:★★★★
シダレザクラの開花最盛期は混雑します。紅葉の時期もやや混雑します。境内は広いですが、オープンスペースは多くありません。それ以外の季節は混雑することは少ないです。
交通の便:★★★
公共交通機関利用の場合、最寄駅からそこそこの本数でバスがあるのでそれほど悪くありません。
車の場合、やや大きめの駐車場があり普段は問題ないですが、シダレザクラ最盛期の土日は交通整理が行われるほど混雑するので留意しましょう。
総合満足度:★★★★
歴史ある寺院の雰囲気のある庭園と、仁王門周辺のシダレザクラの華やかな景色が両方楽しめるのは満足感があります。両者がお互いを邪魔することなく自然な感じで区分けされているのも良いと思います。また、南アルプスや中央アルプスの展望、駒ケ根高原の牧歌的な雰囲気、手前の畑のスイセンが同時に楽しめるのも大きな魅力。できれば良く晴れた日の午前中(午後になると山に雲がかかりやすい)に訪れたいところです。
遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春(シダレザクラ、スイセン)
晩秋(紅葉)