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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

五島美術館

東京都世田谷区にある、東急グループ創始者の五島慶太氏が収集した美術品を展示する美術館。隣接して武蔵野台地が多摩川に浸食されてできた傾斜地を利用した庭園があります。和風の庭ですが、整然とした日本庭園という印象ではなく自然風の庭といった印象です。
庭園だけの入場も可能で、気軽に訪れることができます。

園内の地図(クリックすると拡大します)

五島美術館のマップ
美術館側から西側に向かってやや急な高低差があり、段差が多く散策の際は注意がいります。
明確な順路は設けられてませんが、ここでは庭園出入口から時計回りで主な見所を紹介します。

美術館正面入口と、庭園出入口


美術館のロビーを抜けて出入口から庭園に入ります。
建物本館は近代建築の大家である吉田五十八氏設計のフラットなデザインです。

天祐庵門と、茶室「古経楼」


雰囲気のよい和風の門を抜けると、茶室の古経楼(こきょうろう)があります。
残念ながら茶室は非公開となっています。

茶室「富士見亭」と周囲のモミジ


もう一つやや小さめの茶室がありますが、こちらも非公開です。
この周囲はモミジが多く新緑や紅葉時はとても綺麗です。

見晴台庭園のシダレザクラ

五島美術館のシダレザクラ
茶室付近の陰の多い空間から、芝生の開放感のある見晴台庭園に出てきます。
写真は見晴台庭園に咲くシダレザクラ。花期はソメイヨシノよりやや早いくらいです。

見晴台庭園の展望台

五島美術館の見晴台庭園の展望台
見晴台庭園の展望台。遠く富士山が望め、広々として休憩するのにちょうど良いです。

瓢箪池

五島美術館の瓢箪池
傾斜の低地側は、小さな池が多い落ち着いた雰囲気です。写真の瓢箪池の他、菖蒲園や蓬莱池、小さな流れなどがあり散策が楽しいエリアになっています。

赤門

五島美術館の赤門
傾斜の下側にある赤門周辺はモミジが多く、新緑や紅葉の時期は美しいです。

春山荘門と、大日如来


出口専用の春山荘門。ここから出てしまうと再入場はできないので注意。
このあたりは石仏や石塔が多いですが、鉄道開発の際に移設されたものも多いそうです。

石灯籠


園内には、五島氏が収集した様々な種類の石灯籠が数多く配置されています。
写真2枚目の一番立派な善導寺型燈籠は、庭園内ではなく、美術館正門広場の左側にあるので見逃さないようにしましょう。見ざる言わざる聞かざるの彫り物があります。

階段の道、石畳の道


園内は階段が多く、石畳の道もあるので苔で滑ったり、足を踏み外してくじいたりしないように足元に注意しましょう。

施設の概要

場所
東京都世田谷区上野毛3−25

交通手段
■公共交通機関
東急大井町線「上野毛」駅より徒歩5分。
■車
第三京浜道路「玉川IC」から約2分。
※一般向けの駐車場なし。公共交通機関利用を推奨。

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.gotoh-museum.or.jp/

My impression

庭園デザイン★★
急な斜面地を利用した和の庭園。見晴らしと開放感のある高台側と、落ち着いた雰囲気の低地側の変化が大きな特徴です。広めで自然な雰囲気の樹木が多く、観賞というよりも散策に向いた庭園です。
管理状態は悪くありませんが、急な坂道や階段が多く、園路はやや歩きづらい部分があります。

植物充実度★★
日本庭園でよく見られる植物が多いですが、マツ等の刈り込み物は少なめで、のびのび育った樹木が多いです。シダレザクラやツツジ、モミジの新緑や紅葉が大きな見所。他には特にこれといった花の見ごろはありませんが、その分冬以外はいつ訪れても楽しめると思います。植物の管理状態は良好。
なお、巨樹として知られていた「上野毛のコブシ」は枯死しており現在はありません。

娯楽度★★★
シダレザクラやツツジ、紅葉の最盛期は楽しめます。それ以外の季節は、庭園や植物に興味が薄い方と一緒だと厳しいかもしれません。
美術館の美術品も一緒に楽しめます。また、1駅隣は二子玉川なので飲食や娯楽関連はそちらで補うのもよいでしょう。

混雑度★★
基本的にはあまり混雑せず、落ち着いて観賞が可能です。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、駅からは非常に近いですが、一部狭い歩道の部分もあるので注意。また、上野毛駅は各駅停車しか停まらないので注意。
車の場合、一般の駐車場はなく、上野毛駅周辺のコインパーキング等を利用することになります。身障者対応などの特別な事情がなければ公共交通機関の利用を推奨します。

総合満足度★★★
日本庭園というよりも、西洋庭園風味もある和風の庭という印象。緑が多く散策するには楽しい落ち着いた環境です。一方、花木や草花類はそれほど多くありません。
各所に置かれた立派な石灯籠が大きな特徴で、まるで石灯籠の見本園のようです。名札もあるので意匠の違いを見比べてみるとよいでしょう。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
春(シダレザクラ)
晩春〜初夏(新緑、ツツジ)
初冬(紅葉)

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