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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

福州園

福州園(ふくしゅうえん)は沖縄県那覇市にある中国式庭園。中国の福州市と那覇市の友好都市締結10周年記念事業として建設された庭園で、建設にあたって福州市産の資材を使用し、福州市が庭園の基本設計から建造物の加工の技術支援まで行ったという、本格的な中国式庭園となっています。
那覇市街中心部に近く、観覧料も安価なため、那覇市民憩いの場として親しまれているとともに、那覇の観光名所ともなっています。

園内地図(クリックすると大きくなります)


園内は明・穏・華の三部構成となっており、それぞれは地図にある、明が春景色、穏は夏景色、華は秋・冬景色とリンクしています。ただ、この構成は緩い区分けとなっており、どのエリアも周年楽しめるようになっています。
時計回りで巡る順路があるので、ここでも順路通りに主な見どころを紹介します。

大門

大門
福州園の受付を兼ねる大きな門。ここで観覧料を払って中に入ります。
園内にはいくつか門がありますが、入口はここ一か所となります。

照壁(しょうへき)

照壁(しょうへき)
大門をくぐると現れる飾り彫りのある壁面。
壁の裏側にはテラスがありますが、帰りに寄ることにしましょう。

三十六鴛鴦館(えんおうかん)


渡り廊下のある建物。それぞれ両側は池に面していて、池を見ながら休憩したり、コイにエサをあげたりできます。

荷花塢(にかう)

荷花塢(にかう)
高台から滝が落ちており、三十六鴛鴦館からその様子を眺めることができます。
ちなみに荷花とは中国語で蓮の花で、塢とは土手のこと。

双塔

双塔
手前にある鳥塔(うとう)と、奥にある白塔。福州市の典型的な景観とのことです。

東冶堂(とうやどう)

東冶堂(どうやどう)
龍の柱がある、福州市の代表的な建築様式の建物。

桃花渓(とうかけい)

桃花渓(とうかけい)
開けた池と小さな渓流からなる庭。閩江(びんこう)という福建省を流れる川の景色を表現しているとのことです。
知春亭(ちしゅんてい)という円形のあずまやがアイストップになっています。

凌波廊(りょうはろう)から見た景色

遼波廊(りょうはろう)から見た景色
桃花渓の池の景色を望める展望台。双塔が点景となっています。
池側はベンチ状になっているので、休憩しながら庭を眺めることができます。

垂花門(すいかもん)

垂花門(すいかもん)
園内には、中国の伝統的な建築様式を踏襲した門が東西南北に配置されています。
西側に当たるこの門は垂花門(すいかもん)。なお、東にある大門以外から入退場はできません。

欧冶池(おうやいけ)

欧冶池(おうやいけ)
園内最大の池。北側にあるほとんどの建造物からも見渡せます。

飛虹橋(ひこうきょう)から見る滝や冶亭(やてい)

飛虹橋から見る滝や冶亭
飛虹橋(ひこうきょう)は欧冶池に架かる橋で、滝を観賞する場ともなっています。
冶山(やざん)という人工の山の頂上には冶亭(やてい)というあずまやがあり、頂上からは滝が流れ落ちています。福州の名勝である冶山の水景を模したとのことです。
なお、冶山の内部は空洞となっていて、滝を裏側から見ることもできます。

冶亭から見る園内の景色

冶亭から見る園内の景色
冶亭からは園内を広く見渡すことができます。
冶山部分の階段がやや急なので、雨の日などは気を付けて上り下りしましょう。

屏山(びんざん)

屏山(びんざん)
冶山とは別に、もうひとつある人工の山。頂上にはあずまやが建っています。
あずまやからの展望もよいですが、池から眺めた際の添景としての役割もあります。

照壁の裏側にあるテラスから見た景色

照壁の裏側にあるテラスから見た景色
照壁の裏側にはテラスがあります。
そこからは欧冶池を前景とした、飛虹橋や滝、冶亭のある景色を楽しめます。

ライトアップ

福州園のライトアップ
福州園のライトアップ
夜間開園されており、季節を問わず庭園のライトアップを楽しめます。

クニンダテラス

カフェレストランクニンダテラス
琉球や久米村(クニンダ)の歴史文化を知ることができる展示室や、カフェレストランのある複合施設。カフェレストランは昼間であれば気軽に庭園側のテラス席で軽飲食も楽しめます。

施設の概要

場所
沖縄県那覇市久米2-29-19

交通手段
■公共交通機関
ゆいレール「県庁前」駅から徒歩10分。
那覇バス「久米孔子廟前」駅下車、徒歩2~3分。
※バス停が交差点を中心に東西南に複数あるので注意。
■車
国道58号「久茂地交差点」から約3分。
那覇西道路「若狭IC」から約2分。
※駐車場あり(有料)。駐車場は福州園から道路を挟んだ松山公園側にあり。

入場料・休館日・開園時間は下記の公式サイトURLを参照
URL:https://www.fksn-okinawa.jp/

My impression

庭園デザイン★★★
福州市産の資材を使用し、福州市の技術指導を仰いだという本格的な中国式庭園。2つある池を軸として、エリアごとに見所をつくり様々な景観を作り出しています。
一方で、日本庭園と異なり、庭園や植栽がメインというよりも建造物がメインとなる中国式庭園は好みが分かれるところかもしれません。
また、那覇市街地にあるため、どうしても周辺の建物が視界に入ってしまうのは気になるところ。

植物充実度★★
カジュマルやハイビスカスなど、南国的な花や植物がみられます。また、中国的な竹類も一部で植栽されています。特にこれといった花の見所はないですが、その分いつ訪れても楽しめるでしょう。
植物の管理状態は比較的良好です。

娯楽度★★★
中国風の景観が魅力の庭園で、花や緑に興味が薄くても観光施設として楽しめるでしょう。
園内からも入れるカフェレストランがあります。
周辺の観光施設は、園の北側に波の上ビーチや護国寺があります。また、那覇市街地も近く、国際通り方面に向かえば飲食店やショッピングが楽しめる場所も多いです。

混雑度★★
庭園としてはやや狭めで、オープンスペースもそれほど多くありません。
ただ、目玉となるような花はなく、激しく混雑するようなことは少ないです。季節を問わずゆったり散策することができるでしょう。

交通の便★★★★★
公共交通機関の場合、ゆいレールの県庁前駅から歩いてそれほど時間がかからないうえ、本数の多いバス停からも歩いて数分なのでとても良い評価。
車の場合、有料の駐車場が道路を挟んだ松山公園側にあります。安価なのですが、近隣に駐車場が少なくその分やや混雑しやすいです。

総合満足度★★★
福州地方独特の伝統的手法を用いた中国式庭園。そのような施設に興味がある方であれば期待を裏切らないでしょう。低質なタイプの○○村的な張りぼて感のある施設ではなく、細かな意匠も楽しめる施設となっています。また、本来は那覇市民のための都市公園ということで、那覇市街地から近く、観覧料が安価なのも魅力です。
一方で、やや狭めの空間に建造物が多く建てられており、庭園として少し窮屈感があるのは否めないことや、周辺のマンション等が景観の背景に入ってしまうのは少し残念。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
特になし(いつ訪れてもOK)
敢えて言うなら新緑の春頃が良い。

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