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植物栽培に知っておきたいガーデニングの資料集

一歩進んだ花と緑の育て方

肥料と活力剤

ガーデニング用に様々な肥料や活力剤が出回りますが、すべてを試していたらキリがありません。ここでは一般的に使われる肥料や活力剤の解説と検証をしてみたいと思います。
特に有名な肥料は個人的な印象も載せているので参考程度にどうぞ。

※学術的には様々な肥料の分類がありますが、ここではガーデニングの用途にそっています。正確な分類わけや名称などが知りたい場合は他資料を参考にしてください。
※肥料の写真は代表的なものを取り上げています。

肥料の成分について

肥料に表示されている成分表を簡単に説明すると…。
○チッ素(N):主に葉や茎の生育に効果あり。
○リン酸(P):主に花や実つきに効果あり。
○カリ(K):主に根の生育を促進。植物を丈夫にする。
○マグネシウム(Mg):葉緑素を作る。リン酸分の吸収を助ける。
○鉄分(Fe):葉緑素を作る。葉の白化を防ぐ。
○カルシウム(Ca):根の生育を促進。植物を丈夫にする。
になります。特に重要なチッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)は肥料の三要素と呼ばれています。より詳しい説明は肥料会社のHPなどを見るとよいと思いますが、すべてを理解しようとすると大変なので、まずはこの6つを知っておけばよいと思います。

ちょっと読みづらい肥料や活力剤の名前について

  • ・置き肥:おきひ、おきごえ。
    ・お礼肥:おれいひ、おれいごえ。
    ・寒肥:かんごえ。
    ・追肥:ついひ。
    ・元肥:もとひ、もとごえ。
    ※個人的には寒肥以外「〜ひ」と呼んでいます。
  • ・緩効性肥料:かんこうせいひりょう。
    この読みは意外と知らない人が多いかもしれません。
  • ・木酢液:もくさくえき。
    ・竹酢液:ちくさくえき。

固形化成肥料

置くだけでいい置き肥や、土に混ぜて使う粒状肥料があります。
業務用には即効性のある化成肥料も多いのですが、ガーデニングでは効果が緩やかになるように改良されたものがよく使われています。
臭いや虫がつくことが少なく、住宅地やベランダ園芸で使いやすいものが多いのが特徴です。

緩効性(短期間型)


1ヶ月程度効果がもつものです。
おなじみの白いボール状のものが出回っています。3大要素をバランスよく配合したものが多く汎用性があります。土の上に置くだけでよいため追肥によく使われています。安いので気軽に使えますが、より高い効果を望むならお金を足して下記の中期〜長期型を選択した方が賢いかもしれません。
○代表商品
永もち肥料(日清ガーデンメイト)

緩効性(中期間型)


1ヶ月〜3ヶ月程度効果がもつものです。
3大要素をバランスよく配合したものが多く汎用性があります。土の上に置くだけでよいため追肥によく使われていますが、元肥としても使われます。
○代表商品
プロミック(ハイポネックスジャパン)、マイガーデン(住友化学園芸)

○プロミック(ハイポネックスジャパン)の個人的印象。
鉢花向けのおすすめ肥料。3要素のほかマグネシウム・カルシウムなどの微量要素も含んでいます。効果は実証済みで鉢花向け肥料としてよくお世話になっています。肥料効果は2ヶ月で短めなのと、肥料の粒が大きいのが難点。
N :P :K =12:12:12 N :P :K =8:12:10など。いずれもMg、Fe、Caを成分に含む。

緩効性(長期間型)


半年〜1年以上効果が続く肥料です。
非常に使いやすく、大概の1年草なら元肥として混ぜておけば追肥もいらないお手軽肥料。草花栽培用にリン酸分を強化したものが多いです。土に混ぜると効果的なため基本的に元肥として扱われていますが、追肥として使うこともできます。
○代表商品
マグァンプK中・大粒(ハイポネックスジャパン)、マイガーデン元肥用(住友化学園芸)


○マグァンプK(ハイポネックスジャパン)の個人的印象。
おなじみの長期肥料。中粒なら1年、大粒なら2年という効果の長さが特徴。リン酸分が多くパンジーやペチュニアなど長期間花を咲かせるものにとても有効です。直接根に触れても大丈夫な点も大きなポイント。効果・利便性どれをとっても優秀な肥料で、迷ったらこれを使えば間違いないでしょう。
小粒(効果は2ヶ月)は中期型に分類されるので注意。
N :P :K =6:40:6、Mg=15。

○マイガーデン元肥用(住友化学園芸)の個人的印象。
肥料効果は1年。3要素のほかマグネシウムなどの微量要素や、腐植酸という活力剤要素も含んでいます。直接根に触れても大丈夫で、地面にばらまいて使っても良い点が大きなポイント。ただ、マグァンプKと比べるとリン酸分が少ないためか、花を多く咲かせたい場合の優位性は若干劣るようです。小さな苗から大きくしたい場合はこちらが選択肢に入ります。
N :P :K =10:18:7、Mg=0.42など。

液体化成肥料

液肥と呼ばれています。基本的に元肥の補助の追肥として使い、これのみで育てるケースはまれです。固形肥料を与えづらい水耕栽培や、タネから育てる時の幼苗にも使います。
希釈して使う経済性が高い原液タイプと、そのまま使える手軽なストレートタイプがあります。

原液タイプ


速効性のある肥料です。商品によって3大要素の配合比率は様々。
希釈することを面倒に思わなければ断然原液タイプをお勧めします。ただし、希釈倍率を間違えて濃く作ってしまうと肥料焼けするので注意が必要。薄く与えるぐらいで調度よいです。
○代表商品
ハイポネックス原液(ハイポネックスジャパン)、花工場原液(住友化学園芸)

ストレートタイプ


速効性のある肥料です。商品によって3大要素の配合比率は様々。
そのまま使えるので手軽で肥料焼けの心配も少ないですが、希釈倍率のことを考えれば経済性は圧倒的に不利です。室内用に向いています。
○代表商品
キュート(ハイポネックスジャパン)、そのまま使える花工場(住友化学園芸)

粉末化成肥料

粉タイプの肥料で水に溶かして使います。施肥に手間がかかるためか種類は少ないです。
液肥と同じで追肥として使います。商品によっては粉のまま与えることも出来ます。

粉末化成肥料


液肥と同様に速効性があります。カリ分を多めに含んだハイポネックス社のものが代表的です。というよりも他に有名なものはないです。通常の土栽培以外にも水耕栽培に用いられます。
○代表商品
微粉ハイポネックス(ハイポネックスジャパン)

○微粉ハイポネックス(ハイポネックスジャパン)の個人的印象。
3要素の中でもカリ分を多く含んでおり、植物を丈夫にする効果に優れています。特に植え替え後や夏越し前、冬越し前に使うと効果的。草木灰の代わりに球根の肥培にも使えます。水に混ぜて溶かさないといけないため、やや手間がかかるのが難点。
N :P :K =6.5:6:19。

有機肥料

植物の油かすや動物の骨などの有機物を原料とした肥料。様々なものがあります。
遅効性のものが多く庭木の元肥や寒肥によく使われます。野菜の有機栽培にも欠かせません。
多少の土壌改良の効果も期待できるため地植えの際には積極的に用いられますが、臭気があるものが多く鉢植えやベランダ栽培では敬遠されやすいです。
原料を乾燥しただけのものもありますが、家庭園芸では醗酵済みのものを使った方が無難です。

油かす


アブラナなどの菜種から油を搾り取ったかすを元にしています。形は粉状から粒状、ブロック状まで様々です。緩効性〜遅効性でチッソ分が豊富なため庭木の元肥や寒肥によく用いられます。
醗酵済みのものでも多少の臭気があります。
○代表商品
醗酵油かす(日清ガーデンメイト)、醗酵油かす(東商)

牛ふん


牛の糞を由来にしています。牛ふんは肥料の効果は低く、どちらかといえば土壌改良としての利用が主です。ただし、鉢栽培など微量要素の欠乏が生育の妨げになっているケースでは劇的な効果が上がることも。バラ栽培ではよく使われています。
醗酵済みでも多少の臭気がありますが、草食動物のふんなのでそれほどきつくはありません。
○代表商品
特になし

鶏ふん


鶏の糞を由来にしています。牛ふんとは異なり、鶏ふんは3要素がバランスよく入っており肥料として使えます。効果は1ヶ月程度と有機肥料のなかでは短めです。土壌改良の効果もありますが、すべてを補えないので他の肥料や堆肥と併用するとよいです。
醗酵済みでも多少の臭気があります(牛ふんより強い)。
○代表商品
特になし

骨粉

様々な動物の骨から作られています。形は粉状から粒状、ブロック状まで様々です。
遅効性でリン酸分が豊富。多少の臭気があります。他の有機肥料に比べやや値段が高いです。
○代表商品
特になし

草木灰


草や木を燃焼させてできる灰で、白や灰色の粉末〜粒状。主にカリ分・微量要素添加に用います。
カリ分が多いため球根類の花後の肥料としてよく用いられています。寒さに弱い植物の冬越し時の体力をつけるために、秋に施肥するのも効果的。アルカリ性が強く酸度調整にも使われます。
匂いはほとんどありません。
○代表商品
特になし

グアノ(写真はバットグアノ)


海鳥やコウモリの糞由来の肥料です。海鳥由来のものはグアノ、コウモリ由来のものはバットグアノと呼びます。一般的に出回っているものはリン酸分と石灰(カルシウム)分の肥培効果が期待できるものです。肥料効果は緩やかで扱いやすいですが、即効性は期待できないので元肥向きです。
少し臭気がしますが、土に埋めれば気にならないです。
○代表商品
特になし

有機肥料(ブレンドタイプ)


油粕などの様々な有機肥料を加工して施肥しやすくしたものです。粒状のものが出回っています。肥料効果は1〜3ヶ月程度で商品によって幅があるようです。狭い庭でも使いやすく、プランターの有機野菜栽培などにもよく用いられています。花への使用が主なものは無機物が配合されているものもあるようです。元肥、追肥いずれにも使えます。
少し臭気がしますが土に埋めれば気にならないです。
○代表商品
花咲く肥料(東商)

配合肥料

長期間効く有機肥料と速効性のある化成肥料を配合した肥料です。

緩効性(中期間型)

速効性の化成肥料と固形醗酵油かすが配合されているので高い効果が期待できます。
肥培効果は1〜3ヶ月程度のものが多いです。盆栽や鉢植えの樹木には使いやすいです。
どちらかといえば追肥に向いています。
○代表商品
特選有機配合肥料(日清ガーデンメイト)、配合肥料(東商)

無機肥料

工場で生産されたり自然の鉱物などを利用したものです。
どれも広い面積を施肥するのに向いており、熔リン以外は家庭園芸ではあまり使用機会がありません。

硫安

チッ素肥料。即効性がありますが、土が酸性化しやすいのであまり使用されません。
○代表商品
特になし

尿素

チッ素肥料。即効性があります。
○代表商品
特になし

熔リン(熔成リン肥)

リン酸肥料。遅効性で効果も長いです。土をアルカリ性に傾ける効果もあります。
○代表商品
特になし

過リン酸石灰

リン酸肥料。即効性がありますが、家庭園芸では使いにくいです。
○代表商品
特になし

活力剤

肥料の吸収を助けたり、特殊な機能性を持たせた商品です。
こういった商品は補助的な効果を期待するものであり、植物の好む環境(日光・水・肥料など)を整備してあげたうえで、さらなる成長を求めるときに添加することが大事です。

メネデール


イオン化させた鉄を配合した植物活力剤。
植え付け・植え替え時などの弱った植物の回復効果、挿し木の発根促進など様々な効果をもっています。平常時は肥料としてではなく微量要素添加効果を期待して使います。

○メネデールの個人的印象
発根促進効果は専門剤には敵いませんが、弱った植物の回復効果は期待できます。弱っている原因(日照不足、過湿、病害虫など)を取り除いた上で与えることが大事です。

HB-101


杉、桧、松、オオバコより抽出した成分による植物活力剤です。微量要素の添加により植物の発育や有効土壌微生物の活性化を促すとされています。

○HB-101(フローラ)の個人的印象
メネデールに比べると効果の信頼性は足りない感じがします。ネットでも効果の妥当性は賛否両論のようです。少なくとも劇的に変化するものではありません。

アンプル型活力剤


主に鉢植えの微量要素の添加に使われます。肥料成分が多少含まれているものもあります。
かなり目立つので花壇にはあまり使われません。
○代表商品
ミネラルアンプル(ハイポネックスジャパン)

○アンプル型活力剤の個人的印象
目に見えるような劇的な効果を期待するものではないと思います。補助的なものと考えるのが妥当でしょう。ただ、条件が悪い場所に置かれている植物(室内鉢花や観葉植物など)や、微量要素が欠乏しやすい植物(プリムラなど)には使いやすいです。

木酢液・竹酢液


木炭や竹炭を作る時の煙を集めて冷却、液化、生成したもので、土壌改良、病害虫予防、動物忌避効果などを期待して用います。やや匂いがあるので注意。

○木酢液・竹酢液の個人的印象
目に見えるような高い効果は期待できませんが、高品質のものは効果があると思います。独特の匂いがするので、匂いが気にならない場所で利用したいです。