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花と緑のエッセイ

花と緑のエッセイ

千葉県フラワーフェスティバル(第45回)

2025年1月中旬の某日に第45回千葉県フラワーフェスティバルを見に行きました。
開催地は千葉市にあるそごう千葉店の6階催事場となっています。
その時の記録と感想です。

千葉県フラワーフェスティバルは早春に行われている人気のイベントとなっています。
一大消費地である東京都に近い千葉県は、農業はもちろん花き生産も盛んで、特に温暖な気候の南房総では多くの種類の花きが栽培出荷されています。そのような千葉県で生産された花きをデパートの催事場に集め、優れた出品物の展示や表彰を毎年行っています。
観賞するだけなら無料なうえ、アクセスに優れたそごう千葉店で行われていることもあり、多くの見学者で賑わっていました。

なお、現在の千葉県フラワーフェスティバルはそごう千葉店で開催されていますが、2017年に営業終了する以前は三越千葉店で開催されていました。

アクセスについて

今回は、JR千葉駅から歩くルートを利用しました。京成千葉駅とは直結していますが、JR千葉駅からは中央改札口から少し歩きます。しかし、距離は短く、段差にもエスカレーターがあるので、非常にアクセスしやすいです。

展示の様子(入口付近)

展示の様子(入口付近)
期間は短く土日のみの開催ですが、わずらわしいほどの混雑はなく、見学にも余裕がありました。
催事場はそれほど大きな区画ではありませんが、花の展示数から言えば妥当な面積だと思いました。入場料が無いこともあり、自由入場となっており気軽に観賞できます。

展示の様子(切花1)

展示の様子(切花1)
花きの花形といえば、やはり切花。ストックやカーネーションといった鮮やかな花が並びます。

展示の様子(切花2)

展示の様子(切花・カラー)
今年の一押しはカラーのようでした。
千葉県君津市ではカラーの栽培が盛んで、豊富な湧き水を利用し、夏は涼しく冬は暖かいという、比較的温暖な気候を好むカラーの性質に合った栽培ができるとのことです。
純白の品種「アクアホワイト」、薄いクリーム色の品種「ウェディングマーチ」などが展示されていました。

展示の様子(切花3)

展示の様子(切花・葉物)
切花に欠かせない葉物の展示もありました。ソテツやハランなど。
こういった普段は目立たないものにも注目してくれているのは嬉しいですね。

展示の様子(鉢花)

展示の様子(鉢花)
鉢花や花苗といった、栽培できる花の展示も見られます。
個人的に飾るよりも育てることに興味があるので、鉢や苗の展示は時間をかけて見てしまいます。どれも素晴らしい出来栄えです。

シクラメンの展示

インディアカサーモンアランチーニドレス
開催時期のこともあると思いますが、シクラメンの鉢花が充実していました。
写真1枚目は品種名「インディアカ サーモン」、2枚目は「アランチーニドレス」。
草姿も花つきも良く、見応えがあります。

特別賞の展示と、農林水産大臣賞

特別賞の展示
農林水産大臣賞の黄色いスターチス
展示された中で、特に優れたものに賞を授与しています。
今年の農林水産大臣賞(最優秀的な賞)はスターチスの黄色品種「イエローサンバード」でした。立派な出来栄えで、千葉県の代表的なカラーの一つといえる鮮やかな黄色が美しいです。
一方で、千葉県フラワーフェスティバルでは農林水産大臣賞以外にも様々な企業や団体から多くの賞が贈られるのも特徴で、千葉県知事賞や千葉テレビ放送賞など約30の特別賞があります。

チーバくんディスプレイ

チーバくんディスプレイ
いつのまにか千葉県を代表的なマスコットキャラクターとなった、チーバくんをかたどったディスプレイ。元はスポーツ大会のキャラクターだったため情熱の赤色の体をしていますが、赤いカーネーションを利用してイメージ通りに仕上げていますね。
ちなみにチーバくんをデザインしたのは、Suicaのペンギンでも知られている絵本作家でイラストレーターの坂崎千春氏。

チーバくんディスプレイの周囲の展示

カラーとスターチス
トルコギキョウやカーネーション、ホワイトレースフラワーなど
チーバくんも美しいのですが、周囲を飾る切花の展示も美しいです。
1枚目の写真はカラーとスターチス、2枚目はトルコギキョウやカーネーション、ホワイトレースフラワーなど。花の美しさはもちろん、アレンジも上手です。

千葉県農業大学校の展示

千葉県農業大学校の展示
農業が盛んな千葉県とあって、担い手の募集を兼ねた農業大学校紹介の展示がありました。
もっと若ければ私も真剣に進路の候補として考えていたと思います。昔はそういった情報が少なかったんですよね…。ネットが当たり前の社会になり、このような情報が簡単に手に入れられるようになったことは羨ましいです。
でも、やっぱり農業関係の職につきたいという方は減少傾向なのでしょう…。

ワークショップ

ワークショップ
催事場の一角でワークショップが開かれていました。写真はフラワーアレンジメント教室。
他にもいけばな教室や寄せ植え講習が開催されるとのことです。
いずれも要予約とのことで、興味があれば事前に確認しておくとよいでしょう。

花きの販売


催事場から少し離れたエスカレーター脇で花きの販売がおこなわれていました。
値段設定は市場価格からやや安い程度で激安ではなかったですが、ランを中心に様々な花が販売されています。
育て方などを気軽に相談できる雰囲気が良かったです。

少し気になることも…

2017年の千葉フラワーフェスティバル
少し気になったのが、展示数がちょっと少な目かな、という点。
比較資料として、2017年の千葉県フラワーフェスティバル(千葉三越店開催)の写真を上げます。ディスプレイも含め、豊富な種類と数の花があってビックリしたことを覚えています。入場料を払うような大型の展示場で開かれる催事にも引けを取らないクオリティでした。
ほぼ毎年訪れて徐々に縮小を実感しているだけに、花き展示にとって色々と厳しい世の中になってきているのかな…と感じざるを得ません。いくら即売があるとはいえコスト的には赤字でしょうから…。

そごう千葉店

そごう千葉店
時代の流れで、人口の多い千葉県でも多くの百貨店が営業を終了しました。そのような中、残ったそごう千葉店は非常に活気がありました。
普段は自家用車で郊外の大型店を利用するような方も、フラワーフェスティバルに合わせて古き良き総合百貨店の雰囲気を味わってみるのも良いかと思います。

帰りは同じルートで帰路に。
最後は少しネガティブになってしまいましたが、物価高等の中で毎年フラワーフェスティバルを開いてくれている関係者や、三越千葉店から引き継いで催事場を提供してくれているそごう千葉店に感謝しつつ、第45回千葉県フラワーフェスティバルの紹介を終わりたいと思います。また来年!

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