本文へスキップ

花と緑のエッセイ

花と緑のエッセイ

検見川のハス品種見本園

2025年7月中旬に「検見川のハス品種見本園」を見に行きました。
その時の記録と感想です。
検見川のハス品種見本園は、千葉県花見川区にある東京大学旧緑地植物実験所内にあり、7〜8月のハスの見ごろの時期に一般開放しています。
また、近くには古代蓮として有名な大賀蓮が発掘された場所(東京大学検見川総合運動場内の大賀ハス発掘地点)があり、同様に一般開放(特定日のみ)されます。
品種見本園ということで、大賀蓮をはじめとした様々なハスの品種を観賞できます。
比較的近郊に在住していながら、今まで行く機会に恵まれず、今回初めて訪れることになりました。

なお、ハス品種見本園の運営と管理は、東京大学から引き継いだ「大賀ハスのふるさとの会」というボランティア団体が行っています。

アクセスについて

今回はJR新検見川駅から路線バスで訪れました。駅から歩いていけなくもない距離ですが、この日はとても暑く日差しもあったのでバスを利用することに。区役所入口バス停下車で徒歩約1分程度。
ちなみに京成の検見川駅もありますが、こちらにはバス停が無いので注意。

入園口

入園口
入口は、花見川区役所入口交差点を北に少し進んだ三差路にあり、普段は閉門されていますが、一般開放日に合わせて開門されます。
無料で入れるため、開園時間中は自由入場となっています。

このイベントは、例年7月中旬〜8月中旬の「日曜の特定日(一部土曜日もあり)」だけ開催されています(特定日については公式ブログ(下記にリンクあり)で確認ください)
開場は朝6時で閉場は10時となっています。早朝に見頃をむかえ昼を待たずに閉じてしまう、ハスの花の見頃に合わせたものです。頑張って早起きしましょう!

ちなみに、大賀ハス発掘地点(東京大学検見川総合運動場内)を見学できる日は、一般公開日のさらに特定の日のみとなっています。
例年、一般公開日の初日となっていますが、訪れたい場合は公式ブログで改めて確認ください。

なお、この時期はとんでもなく暑いので、暑さ対策は万全に!
日差しを避けて、曇りの日に訪れるとよいかもしれません。

大賀蓮が咲く修景池

大賀蓮が咲く修景池
入園口の近くには、大賀蓮のみが咲く修景池があります。
私が訪れた日はチラホラ花が見られる程度でした。

東京大学旧緑地植物実験所



普段は入れない、東京大学旧緑地植物実験所内を見学できるのもレアな体験です。
植物名の立札など、以前の名残を感じさせるものもあります。

受付


道を進んだ先の広場に受付がありました。ここで記帳(住所氏名)を済ませます。
またここでは、ハスに関する様々なお土産を購入できるので、帰りに立ち寄るとよいでしょう。

パネル展示


ハスの生態や、大賀蓮発掘物語のパネル展示などもあります。
帰りに立ち寄ることとして、さらに奥にあるハス品種見本園に向かいます。

ハス品種見本園

ハス品種見本園
ハス品種見本園は、コンクリートで区切られた水槽が並んだものとなっています。
風景としての見栄えは良いとは言えないですが、元々の成り立ちを考えれば、管理や観察のしやすい合理的な展示方法といえるでしょう。個々の花を観賞・撮影するには最適です。

ハス品種見本園全体

ハス品種見本園全体
公式ブログによりますと、2025年は非常に咲き具合が良かったそうです。
クラウドファンディングによる植え替えなどの努力が実を結んだ結果なのでしょう。

気になったハスの品種1

大賀蓮
ここからは、気になったハスの品種を紹介してみます。
一つ目はやはり大賀蓮。一重咲きで、花弁が紅色になる中型種。シンプルながら美しい花です。

気になったハスの品種2

検見川蓮
検見川蓮。大賀蓮の実生種とのことです。微妙に親とは異なる花色になっています。
ちなみに、大賀蓮と名乗れるのは株分けしたもののみで、実生(タネから育てたもの)は大賀蓮とは呼ばないのだそうです。
確かに、これだけ花色が異なると、同じ大賀蓮と呼ぶのは違和感があります。

そういえば、我が家にある大賀蓮のタネから育てた株は、大賀蓮とは呼べないのですね…。

気になったハスの品種3

天嬌
緋雲千葉
写真1枚目は天嬌(てんきょう)
写真2枚目は緋雲千葉(ひうんせんよう)
いずれも中国の品種で、八重咲きの豪華な印象。中国由来のハスは八重咲き率が高いですね。

黄色いハス、バージニア

バージニア
バージニアはアメリカ大陸原産の黄色いハス。
植物学上のハスの種類は、アジアおよびオーストラリア原産種と、アメリカ大陸原産種に分かれており、前者は白色や紅色の花が咲き、後者は黄色の花が咲きます。

バージニアとの花色比較

バージニアとの花色比較
バージニアの黄色い花はまだ開きかけでしたが、アジア原産のハスの品種とは明らかに異なる花色で注目の的となっていました。
そういえば、ミズバショウの花(仏炎苞)も、アジア原産のミズバショウが白色、アメリカ原産のアメリカミズバショウは黄色でしたが、何か意味があるのでしょうか?

ガイドツアー

ガイドツアー
限定日の時間帯指定でガイドツアーが行われています。
見本園を巡りながら、ハスの特徴や品種などを解説してくれます。

ハスシャワー

ハスシャワー
見本園の一角には、お馴染みのハスシャワーがありました。
なお、この日はおまけでシャボン玉も飛ばしてもらえました。来園者に喜んでもらいたいというサービス精神が良いですね!

出店のかき氷

出店のかき氷
退園時、あまりに暑くなってきたので、受付付近にあった出店のかき氷をいただきました。
ブルーハワイのかき氷、いつ以来振りだろ…。
園内には自販機が無いので、キンキンに冷えた飲料水とか、アイスバーとかを販売してみるのも良いかもですね。

大賀ハス発掘地点

大賀ハス発掘地点
大賀ハス発掘地点
入口から出て、南に少し歩いたところの東京大学検見川総合運動場内には、大賀ハス発掘地点があり、こちらも期間限定で一般公開されています。
現在は、芝生広場に小さな石碑があるだけで、はっきりいってしまえば史跡という意味以外でこれといった見所はありません。
ただ、先ほどのパネル展示で大賀蓮発掘の苦難を知れば、また別の感慨が生まれることでしょう。
タイミングが合えばガイドの方の説明を聞くこともできます。

なお、先述の通り、大賀ハス発掘地点の一般公開日は、ハス品種見本園の一般公開日の、さらに限られた日のみとなっているので、訪れたい場合は公式ブログでよく確認ください。

ボランティア中心の暖かい雰囲気が好ましい

手作り感のあるベンチ
オカリナ演奏会
手作り感のあるベンチ、地域の方主催の演奏会、ボランティアが中心の大賀ハスのふるさとの会のスタッフさんなど、園内にあふれる暖かな雰囲気が良いですね!
地域のみんなで盛り上げよう、という想いが伝わってきます。

帰りは、かなり暑くなってきてしまったので、近くにある東大総合運動場バス停から路線バスに乗ってJR検見川駅に戻りました。
涼しければ、大賀蓮の展示がある千葉市花園公民館に寄りつつ、京成の検見川駅近くにある検見川神社まで歩こうかと思っていましたが、暑すぎて断念してしまいました。また今度…。

くり返しになりますが、この時期はとにかく暑いので、暑さ対策は万全に!
また、樹木や水辺が多く、蚊が気になるので、虫よけスプレーも欲しいですね。

とても暑い中で運営・管理されている、大賀ハスのふるさとの会のボランティアの方たちに感謝しつつ、検見川のハス品種見本園の紹介を終わりとします。

世界各地のハスの品種を公開している、検見川のハス品種見本園の公式ブログは下記からどうぞ。
大賀ハスのふるさとの会

戻ります