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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

古代蓮の里

田園風景が広がる埼玉県行田市にある、ハスおよび水性植物の展示をしている公園。千年以上前の地層から出土した古代ハスの「行田蓮」を見ることができます。
整形されていない自然風の池に、かなりのボリュームでハスが植栽されており、単純に花の見応えがあるだけでなく雰囲気も良いのが大きな魅力です。

園内の地図(クリックすると拡大します)

古代蓮の里マップ
ハスの花が咲く複数の池を中心とした回遊式の園内。
特に順路はないので、ここではエリアごとに主な見どころを紹介します。

行田蓮

行田蓮
行田蓮は、古代蓮の里に近い場所で行われた公共工事の際に、偶然出土したハスの種子が自然発芽して生まれたものです。原始的な形態をもつとされています。
行田蓮(古代蓮)のさらなる詳細については、ページ後半にある公式ウェブページのリンクを参照ください。

古代蓮池1

古代蓮池
古代蓮池の歩道
不整形で護岸されていない自然風な池に、増やされた行田蓮がたくさん植えられています。
池の中には立派な橋状の歩道が縦横に伸びており、池の内側からも観賞できます。

古代蓮池2

古代蓮池と展望タワー
背景のポイントになる、立派な展望タワー。
蓮池の周囲は樹林や芝生広場になっており、余計なものは目に入りづらいように配慮されています。

世界の蓮園1

世界の蓮園
周囲が護岸された整形な池になっている世界の蓮園。名称の通りハスの種類がとても多く、開花時期はかなりの見ごたえです。

世界の蓮園2

剣舞蓮
舞妃蓮
護岸されているので花を至近距離でじっくり見るのに適しています。写真の1枚目は剣舞蓮、2枚目は舞妃蓮。花色のほかに、花弁の形にも多彩な変化があります。

世界の蓮園3

紅万々
ミセス・スローカム
豪華な印象で見栄えがする八重咲きのハス。写真の1枚目は紅万々、2枚目はミセス・スローカム。
シンプルな美しさの古代蓮との対比が楽しめます。

水性植物園1

水性植物園
水生植物たち
スイレンやアサザ、コウホネなどが咲く水生植物園。ハスほど豪華ではありませんが可憐な花を咲かせてくれます。ただし、ハスの開花最盛期とは花期が合わないものも多いです。
写真2枚目の黄花はコウホネ、青花はミズアオイ、白花はヒメシロアサザ。

水性植物園2

水性植物園(行田蓮)
甲斐姫
水生植物園側にも行田蓮が植栽されたエリアがあります。
写真2枚目は甲斐姫という品種で、行田蓮とアメリカ黄蓮を交配したものです。

オニバス

オニバス
オニバス
オニバスには他の花とは別の池が設けられています。昔はこの周辺に自生していたそうですが、今では一部で見られるだけになりました。カメやカエルがのんびり葉の上にのっています。

古代蓮会館と、展望タワー

古代蓮会館展望タワー
古代蓮会館では古代蓮やその他の蓮、スイレンなどの情報が展示されています。
また、展望タワーに登るの際もこの建物が入口になります。
なお、これらは有料施設となっています。

展望室から見下ろす

展望室から見下ろす蓮池
展望タワーの上部にある、約50mの高さの展望室から見下ろした古代蓮池と水生植物園。
ハスの見事な量感が分かると思います。

田んぼアート

2013年の田んぼアート2023年の田んぼアート
また、古代蓮池の反対側は田んぼアートを観賞することも出来ますが、ハスの開花最盛期にはまだ未完成であることが多いです。例年7月下旬ごろに見頃になります。
年によりデザインが異なるので、公式ウェブページやSNSで情報を確認しておくとよいでしょう。

売店と軽食屋

売店と軽食屋
売店やうどん店、軽食屋などがあるので食事の心配はありません。
ハスの開花最盛期の土日祝には各種出店もあり、お祭りのように賑やかになります。

ハスの花は昼前には閉じ始めます。

11時半くらいの蓮池
写真は11時半くらいの蓮池。上記にある写真(古代蓮池2・7時半頃撮影)と見比べてみれば、ハスの花がだいぶ閉じてしまっているのがわかると思います。
公園のパンフレットによると、朝の7〜9時の間が一番花が美しいとのことです。

施設の概要

場所
埼玉県行田市大字小針2375番地1

交通手段
■公共交通機関
JR高崎線「行田」駅より市内循環バスで約20分「古代蓮の里」下車すぐ。
※開花最盛期の土日祝はJR行田駅から無料シャトルバスの設定もあり。
秩父鉄道「行田市」駅より市内循環バスで約35分「古代蓮の里」下車すぐ。
■車
東北自動車道「加須IC」より約25分。
東北自動車道「加須IC」より約30分。
駐車場有料(ハス開花期のみ)

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:https://www.ikiiki-zaidan.or.jp/kodaihasu/

My impression

庭園デザイン★★★
田んぼのような整形の池ではなく、護岸されていない自然風の池に植栽されているのがポイント。景色が単調にならず、自然な雰囲気も良いです。また、池の中にあるデッキも適度にジグザグをきって変化を持たせています。
背丈が高くなるハスの花に合わせて、高い所から俯瞰できる場所が多いのも好印象。周囲の芝生広場や樹木とのバランスも良好で、散策するのに心地よい空間になっています。
一方で、基本的には公園然としており、庭園という雰囲気ではないことは承知のこと。

植物充実度★★★★
行田蓮の開花最盛期が一番の見ごろです。ハスの量感は十分で見応えがあります。
水生植物が多く咲く9月ごろも植物愛好家なら楽しめますが、一般的な花好きの方は行田蓮の開花最盛期(6月下旬〜7月中旬)をおすすめします。
植物の管理状態は良好です。

娯楽度★★★★
行田蓮の開花最盛期は、花に興味が薄い方と一緒でも楽しめると思います。特に土日祝は出店等もありお祭り気分で楽しめるでしょう。それ以外の季節はゆっくり散策するのに向いています。
田んぼアートを楽しみたいなら7月下旬以降が良いですが、ハスの花は少なくなります。
余裕があれば、シャトルバスも停車するさきたま古墳公園や忍城など、行田市の他の名所を巡るのもよいでしょう。

混雑度★★★★★
ハス開花期は非常に混雑します。特に蓮池内のデッキや展望タワーが混雑しやすいです。ゆっくり観賞したいなら平日に訪れることをお勧めします。なお、ハスの花の見頃は早朝からのため、朝早くから混雑しています。
一方で、芝生広場等の広いオープンスペースもあり、混雑時でもゆっくりできる場所はあります。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、最寄りのJR行田駅および、秩父鉄道の行田市駅からバスが出ています。だだし、市内循環バスなので小型や超小型のバスとなるので注意。土日祝にはJR行田駅から臨時のシャトルバスが出ているので、そちらもチェックしておきましょう。
車の場合、大きな駐車場はありますが、ハス開花最盛期の土日は早朝から混雑し、朝には満車になることもあります。早めの到着を。

総合満足度★★★★
園内はほどよい広さでハスの量感は見事。行田蓮の他にも様々な種類のハスの花が見られます。
蓮池の中には橋状の歩道があり、花を近くで観賞できます。また、周囲の歩道や、展望タワーから池を俯瞰して見ることもできます。ハスを観賞する施設としては、関東地方でも随一といってよいのではないでしょうか。
展望タワーや駐車場を利用しなければ無料なのは大きな魅力ですが、これほどの施設ならむしろ、お礼を込めてハスの開花最盛期は有料にしてほしいのが個人的な本音です。

備考1:一応8月上旬までハスの花はみられるものの、花数は少なくなり、枯れた花も目立つようになるので、個人的には早めに訪れた方が良いと思います。

備考2:ハスの開花は朝早くから11時程度までですが、一番花が美しいのは朝の7〜9時の間。観賞時間のことを考えると、朝8時頃までには到着できるようにしたいです。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
6月下旬〜7月中旬(行田蓮、世界のハス)
9月(オニバス、水生植物)※9月は植物愛好家向け。

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