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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

巾着田曼殊沙華公園のヒガンバナ

埼玉県日田市にある公園。高麗川の蛇行によりできた巾着の形に似た地形が特徴です。
ヒガンバナ(別名:曼珠沙華(マンジュシャゲ))の群生地として知られており、最盛期には行列ができるほど賑わいます。約500万本といわれる花のボリュームに圧倒されることでしょう。

園内の地図(クリックすると拡大します)


地図で見ても見事な巾着の形。ヒガンバナは巾着の底を覆うように群生しています。
ここでは高麗駅から来るルートで主な見どころを紹介します。

鹿台橋の上から見る巾着田のヒガンバナ


高麗駅より歩いてくると、鹿台橋の上から高麗川を挟んで巾着田の赤いヒガンバナが見えてきます。
電車利用は渋滞回避が大きな理由となりますが、途中で里山的な風景を楽しめるのも魅力です。

管理事務所前付近から遊歩道、そして出入口へ

川に沿う遊歩道巾着田曼殊沙華公園出入口
橋を渡ったすぐ先にある公園の管理事務所前で車道と別れ、川に沿う遊歩道を出入口(臨時の料金所)まで歩きます。出入口は他にも、駐車場用のものや高麗川駅側などいくつかあります。
ヒガンバナの咲く時期は有料になるので、ここで入場料を払います。交通系の電子マネーにも対応するようになり便利になりました。

上流エリア(早咲き地点)の群生地

上流エリア(早咲き地点)の群生地(広角)
早咲き地点の群生地(望遠)
園内に入るとまず見えてくるのが上流エリアの群生地。いきなりの赤い絨毯に歓声が飛び交います。
早咲きから遅咲きまでありますが、実際には各花期はかなり接近しており、さらに年によって見頃期間が異なります。とにかくヒガンバナは花期が短いので、公式サイトやSNS等で最新の開花情報を確認することが大切です。

公園内の園路

巾着田曼殊沙華公園の園路
園路は高低差の少ない砂利道。よく管理されており足が不自由な方でも問題は少ないと思います。
写真は運良く撮れた一枚で、実際には多くの人で行き交います。

上流エリア(中間地点)の群生地

上流エリア(中間地点)の群生地
早咲きエリアと遅咲きエリアの中間地点。このあたりは樹木との調和が美しいです。
花の密度や奥行き感もかなりのものとなっています。

ドレミファ橋と上流エリアの群生地

ドレミファ橋と上流エリアの群生地
上流エリアの群生地の終点間際には、ドレミファ橋という簡易の橋が架けられています。
数少ない、川の流れとヒガンバナを一緒に楽しめる地点なので、橋を往復するとよいでしょう。橋を渡ったところは高台になっていて川と群生地を見下ろすことができます。

巾着田曼殊沙華まつり会場

巾着田曼殊沙華まつり会場
上流エリアと下流エリアの間は広場になっており、ヒガンバナ開花期のまつり期間は出店が多数出て大いに騒ぎわいます。なお、写真は平日朝早くなので人が少なめですが実際には大混雑します。
ベンチも用意されているので、空いていたら休憩するのも良いでしょう。

下流エリア(遅咲き地点)の群生地

下流エリア(遅咲き地点)の群生地、見頃前
下流エリア(遅咲き地点)の群生地、見頃
広場をぬけると下流エリアのヒガンバナ群生地。遅咲きの花が多いです。
写真1枚目は上流エリアが見頃のころの下流エリアの様子で、まだつぼみが多めです。一方、写真2枚目は下流エリアが見頃のころの様子で、ほぼ満開となっています。

あいあい橋

下から見るあいあい橋
あいあい橋とヒガンバナ
上流エリアの終点付近に架かる歩行者専用橋のあいあい橋。木造トラス構造の橋としては日本最大級の長さだそうです。美しいフォルムで、ヒガンバナとの共演も楽しめます。

橋から上流エリア群生地を見下ろす

橋から上流エリア群生地を見下ろす
橋から高麗川を見下ろす
橋を渡るには一度園内を出なければなりませんが、チケットを見せれば再入場が可能なので気軽に歩いてみましょう。橋の上から群生地や高麗川を見下ろすことが出来ます。
近年は、川が外側に広がってしまい、ヒガンバナと川の両方を上手く写せなくなっています。

遅咲きエリアに多いシロバナマンジュシャゲ

シロバナマンジュシャゲ
あいあい橋に向かう土手に多く咲く、シロバナマンジュシャゲ。なお、ヒガンバナの白花種ではなく、ヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種とされています。

高麗川とヒガンバナ

高麗川とヒガンバナ
高麗川と群生地の距離が近い場所がいくつかあります。ただ、川の流れが群生地とは遠い外側に流れているため、ヒガンバナと川を同時に見られるポイントは限られています。
また、台風や大雨による災害など、その年によっても状況は異なるので、写真のような景色が見れるかは運が絡みます。あくまで自然の河川なのでやむを得ないところでしょう。

コスモス群生地

コスモス群生地
周辺の里山的な環境も好ましく、近隣に在住しているなら季節を変えて訪ねてみるのも楽しいでしょう。ヒガンバナ以外にもコスモスやソバ、サクラ、ナノハナなどが咲きます。

日和田山と駐車場

日和田山と駐車場
巾着田から北西に見える日和田山。この日和田山には登山ルート(登山口から頂上まで片道約30分)があり、頂上に近い二の鳥居から見ると巾着の形がよく分かるとのことですが、ハイキングの領域になります。
手前に見える駐車場は平日でもこの混雑。なるべく公共交通機関を使うことをお勧めします。高麗駅からは道順も案内され(人の流れに付いていけば勝手に着きますが)迷うことはまずありません。

天気(日差しの有無について)

巾着田のヒガンバナ(日差しのある日)
巾着田のヒガンバナ(曇りの日)
巾着田のヒガンバナの特徴は、樹林の下で自然な雰囲気で咲いていることです。そのため、日差しの有無により大きく印象が異なります。
写真1枚目は日差しのある日。スポットライトのような木漏れ日となります。明るい雰囲気で、花がキラキラして見えるのが魅力。
写真2枚目は曇りの日。ほの暗く幽玄な雰囲気があります。花の色が濃く見えるのも魅力。
好みもあると思いますが、条件を変えて再訪すると新しい発見があると思います。

施設の概要

場所
埼玉県日高市高麗本郷125−2

交通手段
■公共交通機関
西武線「高麗」駅から徒歩で約15分。
JR「高麗川」駅からバスで10分、「巾着田」バス停から徒歩約5分。
■車
関越自動車道「鶴ヶ島IC」から約30分。
圏央自動車道「圏央狭山日高IC」から約20分。
駐車場あり(ヒガンバナ開花期のみ有料)
運行日限定で高麗神社駐車場(無料)から無料シャトルバス往復運行あり。詳細は下記公式サイトのリンクを確認のこと。

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:http://www.kinchakuda.com/

My impression

庭園デザイン★★★
高麗川の蛇行した巾着田の景観を利用した公園。自然が作り出したデザインといえるでしょう。あいあい橋の優美なデザインや、ドレミファ橋のシンプルな形状など、里山的な雰囲気を壊さないような施設が多いのは好感が持てます。

植物充実度★★★★
ヒガンバナの量感は純粋に素晴らしいです。ヒガンバナ以外にもコスモスやソバ、サクラ、ナノハナなどの花が咲きます。
植物の管理状態は良好です。

娯楽度★★★★★
ヒガンバナの最盛期は誰にでも勧められるほど美しい景色が楽しめます。
さらに、9月中旬ごろから「巾着田曼殊沙華まつり」が開かれ、祭り会場には飲食の出店や、特産品の売店などが立ち並びます。
巾着田周辺にも飲食店やカフェがあるのでチェックしてみるとよいでしょう。
健脚であれば高麗神社方面へのウォーキングや、日和田山へのハイキングなども楽しめます。

混雑度★★★★★
ヒガンバナの最盛期は非常に混雑します。園内は広いものの園路内の混雑感は強いです。一方で、無料エリアを中心にオープンスペースが多いので、一息つける場所はあります。
のんびり観賞したいなら朝方や平日に訪問するなど工夫しましょう。できれば平日の早い時間に訪れたいです。祭り的な賑わいを望むならあえて土日に行くのもよいかもしれませんが、ゆっくり花を楽しむことは難しいかもしれません。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、 駅から歩いていけるので交通の便は良好です。ただ、最寄りの高麗駅は特急が停車しない駅(臨時に停まる場合あり)なので注意が必要となります。
車の場合、駐車場は臨時も含め大きいですが、休日は満車になり駐車待ちの列ができる上、周辺道路も大混雑します。平日ならなんとか止められるとは思いますが、せっかく駅からも近いので、特別な事情がなければ公共交通機関の利用をおすすめします。

総合満足度★★★★
ヒガンバナの量感はさすがとしか言いようがありません。個人的には、一つの花だけが群生するような花の名所は好みではありませんが、ここは好みを超えた迫力があります。開けた場所ではなく、林の下に咲いているのも雰囲気がよいです。高麗川を含めた里山的な周囲の環境も好ましい。
ヒガンバナ以外にも花はみられますが、やはり真価は燃え立つようなヒガンバナにあります。遠方から訪れるなら、ある程度の混雑覚悟でヒガンバナの開花最盛期に出かけるとよいでしょう。

備考1:ヒガンバナの開花状況はしっかり確認のこと。花期が短いので満開の期間は1週間あるかないかといったところです。早咲きから遅咲きまであるので片方が見頃でなくても十分楽しめます。

備考2:個人的には、他所の開けた場所(田んぼの周辺など)にあるヒガンバナの名所とは異なり、曇りの日の神秘的な雰囲気にも魅力があると感じます。

備考3:自然公園的な趣ですが管理状態は良好です。道も歩きやすいように整備されています。このような樹木の多い環境では根上がりがあって歩きにくいことが多いですが、そのようなことは少ないです。また、スタッフの印象も良く、地域で盛り上げようという思いが伝わってきます。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
秋(ヒガンバナ)

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