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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

■栗林公園






栗林公園は香川県高松市にある特別名勝の日本庭園。17世紀前半に築庭が始まったとされ、長期間の庭づくりと様々な変革を経て現在の形になりました。日本屈指の規模を誇り、景観も三名園ほかに劣らず、特にマツの美しさには定評があります。名所が60景あるといわれるほど見どころが多いですが、ここでは特に印象に残った箇所を紹介します

園内の地図(クリックすると拡大します)


園内は大きく大名庭園の南庭、近代公園風の北庭に分かれます。有名なのは池泉回遊式庭園になっている南庭で、ここだけを観賞する人も多いですが、できれば時間をかけてゆっくり両方を回りたいところ。特にサクラやハス、紅葉の時期は北庭も見所が多いです。ここでは入園時にもらえるガイド冊子にある経路の南庭回遊コース、次に北庭回遊コースの順で紹介します

正門にあたる東門と、駅から近い北門


メインの駐車場から近い立派な東門と、栗林公園北口駅から歩いてすぐの北門。どちらから入っても良いですが、こちらの紹介コースを辿るにはまず、庭園の中心にある商工奨励館に向かいましょう。混雑時などには、東門の券売所で和船(後述)の事前受付をしていることがあります

商工奨励館と、讃岐民芸館


明治時代に香川博物館として建てられた建物で、現在は様々な展示や二階からの展望を観賞できます。また、疲れた時の休憩所としても利用可能。内部は廊下によって結ばれた回廊構造になっています。ここをスタートにして8の字状に南庭と北庭を巡ります。
また、隣には香川県を中心とした民芸品を収集・展示している讃岐民芸館があります。庭園を観賞した後に立ち寄ってみるとよいでしょう

南庭回遊コース

紫雲山(しうんざん)


東門から入ってすぐ目に入るのが庭園の敷地の一部であり、背景でもある紫雲山。ただの借景ではないところがポイントです。北側にある標高の高い山が稲荷山で、南側のやや小さい山が室山、その2つの山の総称が紫雲山となっています。スケールの大きな栗林公園の印象を決定づける重要な山です。登山も可能ですが、園内からのコースはありません

お手植松と、鶴亀松(つるかめまつ)


商工奨励館前の檜御殿跡の広場にあるお手植松と、鶴亀松。お手植松は皇族によりお手植えされた松で、園内の中でもひときわ樹高が高いのが特徴です。
鶴亀松は園内一の名木と紹介されるほど立派な姿をした松で、亀をかたどった岩と、亀岩の背の上に鶴のように剪定された松が組み合わさったものです

箱松と屏風松


箱のように剪定されたマツと、やや背が高く屏風のように枝を広げたマツ。複雑に絡み合った枝の下を通り抜けていきます

梅林橋と、北湖(ほっこ)


箱松をくぐり終えると現れる朱塗りの梅林橋。下をのぞくと鯉たちが出迎えてくれます。橋からは前峡(ぜんしょ)と後峡(こうしょ)という2つの島がある、伸びやかな北湖が見渡せます。多くの松が池の周囲に植えられています

日暮亭と、旧日暮邸


茶室になっている日暮亭。平日は入れませんが土日祝には抹茶が楽しめます。周囲はモミジが植えられ紅葉の時期は美しいです。
少し先に進むと、様々な遍歴を経て現在の場所に移築された旧日暮亭があります。こちらも土日祝に内部の見学ができます。

西湖の赤壁と、桶樋滝(おけどいのたき)


庭園の西側には細長い西湖があります。西湖の紫雲山側の斜面は自然の岩盤になっており、中国の景勝地の赤壁にちなんだ名前が付けられています。
その赤壁の南側からは桶樋滝という人工の滝が落ちています。藩主の観賞用として造られ、昔は桶で水を運んでいたとのことです。現在はポンプアップで水を運んでいます

涵翠池(かんすいち)と、鳳尾塢(ほうびう)


背景の翠(みどり)を映す池という意味の涵翠池。池に浮かぶ石組みが見所の瑶島(ようとう)があります。夏にはスイレンの花が綺麗です。
そばには年代物の立派なソテツがまとまって植えられている鳳尾塢という築山があります。鳳尾はソテツ、塢は土堤のことだとされています

掬月亭(きくげつてい)と、掬月の間


園内最大の茶室の掬月亭。抹茶を注文した後で、内部を見学できます。開放的な造りで、特に南湖側は壁がほとんどありません。内部の造作など見どころが多いですが、なんといっても一番奥にある掬月の間から見る南湖の景色が素晴らしいです。床が低めに造られており、まるで舟遊びをしているような雰囲気を楽しめます

根上り五葉松


掬月亭の北側の南湖そばに立派なゴヨウマツの根上り松があります。江戸時代後期に植えた盆栽からここまで大きく育ちました。よく見ると幹の下の方はクロマツ特有の亀甲模様が見られ、接ぎ木であることが分かります

南湖


栗林公園の見所の多くが集まる南湖。岸辺の周囲を巡れます。池のほとりに建つ掬月亭や、3つの島と石組み、太鼓橋、池に浮かぶ和船など、庭園を代表する景観が楽しめます

楓嶼(ふうしょ)と、楓岸(ふうがん)


南湖に浮かぶ、カエデがまとまって植えられている島である楓嶼と、カエデが列植された園路の楓岸。どちらも紅葉の名所になっています。楓嶼はライトアップ時の水鏡と、掬月亭の内部から見た時の姿が素晴らしいです。
南側にある樹木で陰になりやすい楓岸は地面が自然に生えたコケに覆われ、雨の少ない高松の庭園にあって、しっとりとした雰囲気になっています

偃月橋(えんげつきょう)


南湖の東側にある太鼓橋の偃月橋。庭園のシンボルともいえる存在です。歩いて渡るのも良いですが、やはり築山や池の外周、和船の上から眺めた時の点景としての役割が強いです

吹上亭と、吹上


お団子など、気軽に頼めるものが多い売店の吹上亭の前の池では、錦鯉が盛んに餌をねだってきます。ここ以外にも庭園内にはいくつか売店があり、軽食程度なら困らないでしょう。
吹上亭の奥には公園全体の水源になっている吹上があります。吹上から湧き出る、水の流れの中のコケが美しいです

飛来峰(ひらいほう)


南湖の東端にある庭園最高峰の築山が飛来峰。階段で頂上まで上がることができます。飛来峰の頂上から眺める南湖や南湖に浮かぶ島、偃月橋、掬月亭、背景の紫雲山を見渡せる景色は、栗林公園の枠に収まらず日本の庭園を代表する景観となっています

飛猿巌(ひえんがん)と、渚山(しょざん)からの展望


迎春橋のそばにある園内一の石組みである飛猿巌。岩の間に角刈りに剪定されたウバメガシが特異な景観になっています。
南湖の北側には築山の渚山があります。展望台になっている頂上からは松越しに南湖の見所を一望できます。展望を維持するため、松は低めの背丈を維持しているそうです

和船


写真等で南湖に浮かぶ船の景色がたびたび紹介され、すっかり庭園の景観の一部となった和船。実は就航が2012年ということで比較的新しい試みです。和船から眺める景色は、池の沿岸を巡るだけでは味わえません。特に池から見る掬月亭や根上り五葉松、各島々、渚山の水際などが見どころです。
繁忙期など、季節によって乗船手順が違うので、乗りたい場合は事前に確認をしましょう。乗船時間は30分程度です

芙蓉峰(ふようほう)と、頂上からの展望


北湖の東側には築山の芙蓉峰があります。頂上からは北湖に浮かぶ2つの島と周囲の松、アクセントの朱色の梅林橋、そして背景に紫雲山がある、伸びやかな景色を望めます。

北庭回遊コース

芙蓉沼(ふようしょう)


いったん商工奨励館前に戻り、今度は北庭を西側から巡ります。まず見えてくるのが、ハスが植えられた芙蓉沼。沼に架かる石梁(せきりょう)付近からでは全体がよく見えませんが、沼の東側の小高い丘にある香風亭からは沼の大部分が見渡せます。ハスの花は7月〜8月上旬ごろが見頃です

潺湲池(せんかんち)


水がゆるやかに流れる潺湲池。水がさらさら流れる池という意味があるそうですが、印象は川に近いです。岸にはモミジが植えられ新緑や紅葉の季節は綺麗です

北芝庭広場


北門のそばにある北芝生広場にはサクラが多く植えられています。もとは運動場として使われていたこともあり広々としています

群鴨池(ぐんおうち)


園内で一番広い池で、名の通り冬になると鴨の群れが見られます。池の中央あたりに建つ瞰鴨閣(かんおうかく)から鴨の様子が観察できます。サクラや新緑、紅葉の季節も見所があります

その他

松の手入れ


園内には約1400本の松があり、そのうち約1000本を造園課の職員さんたちが手入れしているとのことです。継続的な根気のいる作業が庭園の美しさを支えています

ライトアップ


サクラや紅葉などの時期に季節限定で行われるライトアップ。江戸時代の殿様も見ることができなかった、非日常的な景色を楽しむのも良いと思います

かがわ物産館


香川県の名産品や伝統工芸品を展示・販売する施設。こちらは入園料無料区画にあるので、最後に立ち寄るとよいでしょう。ただのお土産屋さんではなく、香川の良いもの選んで販売しているとのことです

場所 香川県高松市栗林町
交通 ■電車
JR高徳線「栗林公園北口」駅から徒歩3分
ことでん琴平線「栗林公園」駅から徒歩10分
JR高徳線「栗林」駅から徒歩20分
高松駅からバスの便もあり。公式HP参照
■車
高松自動車道「高松中央IC」から約15分
高松自動車道「高松西IC」から約20分
駐車場あり(有料)
※駐車台数はあまり多くない。
近隣の民間駐車場の利用も念頭に
入場料・休館日・開園時間は下記公式URLを参照
URL https://www.my-kagawa.jp/ritsuringarden
My impression
マニア度 娯楽度 混雑度 交通の便 総合満足度
★★ ★★ ★★★ ★★★★★
日本最大級の日本庭園。そのスケール感に負けない造作や、管理された樹木たちを観賞できます。「代表的な日本庭園を一つ紹介して」と言われたら、間違いなく栗林公園が候補に上るでしょう。
見頃が季節にとらわれない、いつ訪れても美しいマツが見所なのは、この庭園の大きな長所といってよいでしょう。もちろんサクラやツツジ、紅葉などが美しい季節も期待を裏切らないと思います。
園内は広く、よく紹介される見所以外にも様々な場所に発見があり、時間を取ってゆっくり観賞したいところ。和船の乗船や、掬月亭等の飲食などを考えると半日は欲しいです。ただ、主な見どころは池泉回遊式庭園の南庭に集中しています。時間がない場合や、花の咲いていない時期は北庭側はスルーしてもよいでしょう。その場合の観賞時間は南庭周遊のみで1時間みておけばよいでしょう。
とても優れた庭園だけに、東方面を眺めるときに目に入る集合住宅のビルが非常に残念。せめて、デザインや色を合わせる等、景観の統一が図られれば良かったのですが。一方、西方面は紫雲山がどっしりそびえてくれています。
サクラや紅葉の時期はやや混雑します。普段も団体や外国人、前撮りの利用が多く、タイミングが悪いときは別の場所を散策するなどして、時間をずらすとよいでしょう。北庭や商工奨励館付近など混雑時でもゆっくりできる場所はあります。
庭園の管理状態は非常に良好。管理者の印象も良好です。特に掬月亭の方々は親切。また、ボランティアの方も多く、園内を案内している様子がみられます。
公共交通機関利用の場合、栗林公園北口駅が非常に便利。ただ、この駅は特急が止まらないので注意。徳島側から特急に乗ると、栗林駅から歩くか乗り換えが必要です。高松駅からは各駅停車で2駅なので、それほど困らないでしょう。
車の場合、あまり駐車台数がないのが不安です。行楽シーズンの土日祝や紅葉の時期などは止める場所に困るかもしれません。事前に周辺の民間駐車場の場所をチェックしておくとよいでしょう。
注目の花:マツ、サクラ、ツツジ、ハナショウブ、ハス、カエデ(新緑・紅葉)

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