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庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

庭園・ガーデン・植物園・花の名所の訪問記

神戸布引ハーブ園

兵庫県神戸市にある日本最大級のハーブ園。一方で、ハーブ以外にも様々な季節の花が見られます。新幹線停車駅の新神戸駅にある山麓駅からロープウェイで上ってアクセスするという非日常性や、展望のよさも魅力です。

園内の地図(クリックすると大きくなります)


ロープウェイの風の丘中間駅からハーブ園山頂駅の間が園内。一般的には山頂駅で降りて、そこから下るように園内を観賞し、中間駅から再びロープウェイに乗ってハーブ園山麓駅に戻るのが登りがなく楽です。ここでも、そのルートで主要な見所を紹介します。

ロープウェイ


ロープウェイの往復乗車券が実質的な入場料となっています。山麓駅から山頂駅までは約10分で、大きな窓からは神戸の景色や、日本三大神滝の一つとされる布引の滝、重要文化財の五本松堰堤などの名所を見下ろせます。

ロープウェイから見る景色


ロープウェイは布引ハーブ園に沿うように上っていくので、園内の景色を横から、あるいは下から観賞できます。サクラや紅葉の季節は特に美しいです。

展望プラザ


山頂駅を降りたところにある文字通り展望のよい広場。季節の花が装飾調に植えられています。
展望レストハウスやレストラン、ハーブショップなどがあり、賑わいがあります。

ローズシンフォニーガーデン


展望レストハウスをくぐるように歩を進めると、小さなイングリッシュローズの庭があります。バラも香料などハーブ的な利用がされていますが、ここはでは見栄え重視の展示になっています。

香りの資料館


ハーブについて学べる資料館。香りにまつわる品々を展示しています。絵や文字情報だけでなく、実際に香りを嗅いで実践的に学べるのが良いところです。

ハーブミュージアムと、家庭菜園ポタジェ


山頂駅からさらに下ると段状になったハーブ園があり、さらに下には家庭菜園風の庭があります。
ハーブ園では実際に手で触れて香りを楽しむこともできます。

グラスハウス前の花壇


温室のグラスハウス前は広めの花壇になっていて季節の花が咲いています。

グラスハウス


衣食住をテーマにハーブの資料やドライフラワーによるディスプレイを展示しています。
1階の奥には冬でも楽しめる観賞重視の温室もあります。

グラスハウス奥のテラス


展望のよいテラスでは休憩のほか、ハーブの足湯やカフェでの飲食が楽しめます。

ラベンダー園


乾きやすい斜面の畑にラベンダーが植えられており、開花期には甘い香りが漂います。
ラベンダーは例年6月中旬頃に見頃を迎えます。

四季の庭(おもてなしの庭)


4つのコンセプトに分かれた四季の庭。庭園愛好家目線で見ればこの施設のメインガーデンといえる部分で、ハーブとの関係性は薄くなるものの美しいガーデンになっています。
写真のおもてなしの庭はバラが中心のガーデンです。

四季の庭(くつろぎの庭)


くつろぎの庭はハーブや季節の花に囲まれたコテージがあるガーデン。

四季の庭(いやしの庭)


四季の庭は2段構成になっており、上の段が春から夏が主力の花が多いのに対して、下の段にあるいやしの庭は秋に咲く花が主力。名前の通りハンモックに横になってのんびりできます。

風の丘芝生広場


ハンモックが多数置かれた芝生の広場。ロープウェイを見ながらのんびりと休憩できます。

風の丘フラワー園


ボリューム感のある季節の花が見られる庭。特に秋のコスモスが美しいです。
花の植え替え期間があるので花が咲いていない季節もあります。

山上にある非日常感が魅力


ロープウェイで簡単にアクセスできる山上の庭園というのが大きな魅力。季節や時間帯によってはドラマチックな景色を苦労なく見ることができます。

施設の概要

場所
兵庫県神戸市中央区北野町1ー4−3

交通手段
■公共交通機関
神戸市営地下鉄「新神戸駅」下車、徒歩約5分。
JR「新神戸駅」下車、徒歩約5分。
三ノ宮駅および三宮駅から新神戸駅へのバスの便もあり。
■車
阪神高速3号神戸線「生田川出入口」から約15分。
阪神高速7号北神戸線「箕谷JCT」から32号新神戸トンネル経由で約15分。
※専用駐車場なし、車利用の場合は公式HPを参照の上、近隣駐車場を利用のこと。

入場料・休館日・開園時間は下記URLを参照
URL:https://www.kobeherb.com/

My impression

庭園デザイン★★★
個々のテーマガーデンはボリュームが不足しており、やや物足りなさがあります。一方、四季の庭はハーブとの関係性が少し薄いものの見栄えがするガーデンになっています。花畑部分は斜面を生かしたデザインになっており、植栽面積の割にはボリュームが感じられます。
展望に優れる場所はプラザやデッキといった娯楽方面を前面に出す形となっているため、花と展望の組み合わせで効果的といえる部分が少なめなのは残念です。

植物充実度★★★
テーマガーデンごとに様々な種類のハーブや花が見られます。主力のハーブが見られない時期は花畑の一年草を咲かせる、といった花のサイクルが上手な印象。植物の管理状態は良好です。
元々の山の資産であろう周辺の樹木も、園の雰囲気づくりに貢献しています。

娯楽度★★★★★
おしゃれなカフェやレストラン、ショップが充実しており娯楽度は高いです。ロープウェイに乗ること自体も娯楽度を高めています。季節によってはイルミネーションや夜景などを楽しむこともできます。
ハイキングが好きであれば、片道は登山道利用になり健脚向きですが、ロープウェイからも見下ろせる布引の滝を併せて見学できます。

混雑度★★★★★
大型連休や行楽シーズン、イベント時などはとても混雑します。アクセスがほぼロープウェイに限られることも混雑度を高める要因。混雑が苦手なら朝早くや平日に訪れるなど工夫したいです。

交通の便★★★★
公共交通機関利用の場合、新神戸駅から歩いて行けるため良好です。駅からロープウェイの山麓駅まで道順が少しわかりづらいですが、わずらわしいほどではないでしょう。
車の場合、専用の駐車場はなく、山麓駅や新神戸駅周辺に近隣駐車場があるので事前に確認してから訪れた方が良いでしょう。個人的には公共交通機関の利用を推奨します。
いずれの場合も最後はロープウェイでのアクセスとなります。

総合満足度★★★
一般的な花好きの利用者を対象に客観的な視点から見ると、施設や花は写真映えして綺麗で、管理者の方たちも洗練されているので、とても気持ちのよい施設となっています。一方で、植物愛好家や庭園愛好家の目線で見ると個々のテーマガーデン等のボリュームには少し物足りなさがあります。
この施設が気になる方は、花の多い季節である春から6月中旬の間に一度訪れてみて合うか合わないか感じてみてはいかがでしょうか。

備考:展望の良さと開放感が大きな魅力なのと、舗装されているとはいえ少し急な坂道になっている屋外を歩くので、出来れば雨以外の日に訪れたいところです。

遠方から訪れる場合のお勧めの季節
初夏(カモミール、バラ、各種ハーブ)
6月中旬頃(ラベンダー、各種ハーブ)
晩秋(セージ類、コスモス、紅葉)

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