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ガーデニング・園芸に用いられる植物の中で私が栽培したことのある種類を図鑑にしています

熱帯スイレン

熱帯スイレン熱帯スイレン
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熱帯スイレンのデータ

花色:赤ピンク紫白
学名:Nymphaea
科名:スイレン科
分類:多年草(浮葉植物)
原産地:アフリカ〜熱帯アジア
大きさ:背丈10〜50cm、横幅30〜120cm
主な見所:花(7〜10月)

熱帯スイレンの特徴

水中の地下茎から長い茎を伸ばし水面に葉を浮かべますが、温帯のスイレンとは異なり花は水面よりやや立ち上がった位置で咲きます。温帯スイレンよりも花つきに優れており、適した環境なら次々と花を咲かせてくれます。
花色が豊富で咲き方も豪華なものが多くよく目立ちます。花に香りのあるものや夜咲き種もあります。葉は葉柄部分に強い切れ込みが入ります。葉が赤みを帯びる品種が多いです。

  • 難易度: 育てるのは難しくありませんが冬越しは要注意。
  • 日照量: 花を咲かせるために日当たりは必須です。
  • 水分量: 水中で栽培します。
  • 耐寒性: 種類によっては凍らせないようにすれば屋外でも冬を越せますが、基本的には屋内で冬越しさせます。10〜15度程度が最適で、これ以上暖かいと逆に休眠しにくくなってしまいます。

熱帯スイレンの育て方

春〜秋の間は温帯スイレンに準じた育て方で構いません。必ず日当たりのよい場所に植えます。日差しがないと花はまず咲きません。用土は荒木田土やビオトープ用土など、重めで水もちのよいものを選びます。植えつけ方は温帯スイレンの項目参照。
熱帯スイレンは冬越しが大きなポイント。耐寒性の弱いものは葉や花芽を切り取って室内に取り込み、植えてある鉢を水を張ったバケツに入れてそのまま休眠させます。ムカゴ種など耐寒性の強い品種は屋外で凍らせないように軒下などで管理すれば冬を越せるものもあります。塊茎を掘り上げて水ゴケなどに包み乾燥させないように保存する方法もありますが、成功率からいっても水に浸したままの前記の方法をお勧めします。

  • 管理:花がらや枯れた葉は切り取ります。株元によく日が当たるように混み合ってる部分の古い葉を随時切り取っていった方がよいです。水深は水面から塊茎の芽の部分まで10〜15cm程度を維持するようにします。緑藻類のアオミドロが発生するので、芽のあたりに発生したものは割り箸などで絡めとります。
    寒くなる前に葉や花芽を切り落として、耐寒性によって置き場を変えましょう。
    植え替えは4月下旬〜5月の間に行います。その際、腐った古い根は取り除きます。
  • 肥料:元肥に遅効性肥料を与えます。追肥には化成肥料が適していますがビオトープ用の液肥を与えてもよいでしょう。肥料のあげ過ぎはアオミドロを助長するのでほどほどに。
  • 病害虫:アブラムシ程度です。

熱帯スイレンのアレンジ

洋風の庭に向きます。和風や自然風の庭の場合は派手めな花色は避けるようにしましょう。
ミニビオトープや水鉢栽培に向いています。冬越し時の移動のため、池に植える場合はまず鉢に植えつけて、それを池に沈めるようにします。温帯スイレンよりも花つきがよいので、単独で楽しむのもよいと思います。

熱帯スイレンの主な品種

様々な種類があります。珍しい品種は耐寒性の強弱を必ず確認しましょう 。
ムカゴができる品種は比較的耐寒性が強いものが多いようです。

ドーベン
ドーベン(ドウベン)」
小さい白花・ムカゴ種。花弁の先に少しブルーが入ります。株は小型。定番品種で寒さに強く育てやすいです。小さめの水鉢でも育てられます。
ドーベンよりもさらに小型のミニミニドーベンも出回っています。

セントルイスゴールド
セントルイスゴールド
中型の黄花種。株はやや小型。黄色花の代表的品種で花つきがよく育てやすいです。やや小さめの水鉢でも育てられます。

ピンクパール
ピンクパール
中〜大型のピンク花種。多花性で花つきが非常に良いです。

キングオブサイアム
キングオブサイアム
中〜大型の青紫花種。珍しい八重咲きで豪華です

その他の写真

ムカゴ
ムカゴ種のムカゴ。葉の切れ込みの付け根にムカゴができます。根が出てきたら収穫して土に植え付ければ新しい苗ができるので、冬越しの保険にもなります。

大きなムカゴ
草津市立水生植物公園みずの森で見かけた大きなムカゴ。もはや独立した株になっています。
品種によってはムカゴのまま花を咲かせることもあるようです。

熱帯スイレンの個人的な印象

オススメ度:★★★★
冬越しのことを考えなければ温帯スイレンよりも花つきに優れておりオススメ。冬越し用のスペースが確保できるかで評価も変わるはずです。

コメント

  • ムカゴ種の屋外冬越し経験や冬越し報告は多いですが、絶対に軒下で冬越しできるとは限らないので油断しないように。
  • 温帯スイレンの改良品種の中には熱帯スイレンのような派手な花色のものも多く、熱帯スイレンと温帯スイレンの区別が一目ではつきにくい品種もあります 。中には両者の交配種もあるので耐寒性も温帯スイレンと同等ともいえないため注意が必要です。
  • 超小型種以外は水鉢や池が必要なため、狭い庭で多くの品種を育てることはなかなか難しいと思います。そのような場合は植物園で観察させてもらうとよいでしょう。
    個人的なおすすめは、上記にもあげた草津市立水生植物公園みずの森(滋賀県)。
    東京近郊なら神代植物園(東京都)や日比谷花壇大船フラワーセンター(神奈川県)。
    品種ではなく、自然な雰囲気で咲く花が見たいという場合はレッドヒルヒーサーの森(三重県)や、北川村モネの庭マルモッタン(高知県)なども候補に上がります。

仲間の花

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