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小型水槽による水草水槽レイアウトの紹介

小型水槽水草レイアウト

マリモの前景草化のすすめ

小型水槽や超小型水槽の場合、水草の過剰な成長を抑えるため水草育成の設備をなるべく控えめにしたいのですが、その場合はどうしても前景草の育成条件と合わず枯らしてしまうことが多いと思います。また、中景や後景に陰性水草を使っていると、それに合う適当な前景草がなく困ることが多いです。
そこで、一つの方法として「マリモ」の前景草利用をお勧めしたいと思います。
マリモは純粋な水草ではなく藻類ですが、非常に丈夫で日照不足にも耐えて生育するため、条件の悪い小型水槽でも問題なく育てることができます。


マリモを前景草化したレイアウト例

マリモを前景草に使用したレイアウト。中景にアヌビアス類のみを配置しているので、普段から低光量&二酸化炭素添加なしですが、まったく問題なく生育しています。
トリミングの手間が非常に少なく、年に数回程度です。

マリモの育て方

コップなどに入れられて販売されることもある通り、非常に丈夫な生物です。普通の観賞魚水槽の条件であれば問題なく育てられます。耐陰性があるので強いライティングもいりません。また、北海道の阿寒湖で育つことが有名な通り耐寒性が非常に強くヒーター類も不要です。もちろん二酸化炭素添加などの設備もいりません。
唯一といっていい弱点は暑さで、あまりに水温が高い(35℃程度)と枯死します。ただ、水槽用のクーラーが必要な海水水槽のようなシビアさはなく、水草水槽の置き場の定石(直射日光の当たる場所に置かない)を守っていれば、それほど問題はないかと思います。
トリミングは増えすぎたら適当にちぎって間引くだけです。間引いた分のマリモは再利用が可能です。自生地でも荒天などでちぎれることによって増殖しているそうです。

マリモのレイアウト

丸まって育つことが知られており、店頭でも丸い形で販売されていることが多いです。ただ、実際には分解して自由な形にすることができます。そのため、上記の写真のように前景に敷き詰めるようにレイアウトが可能です。
水面に浮かぶことはなく水底に沈んでくれるので、ただ前景を全面に埋めたいだけなら固定する必要はありません。底床に部分的にマリモを使いたいレイアウトなら、凹凸の多い岩などに釣り糸などで固定して配置します。

マリモ利用の注意点

マリモは根を張らずに水底に浮遊するだけなので、水流が強い場合はお勧めしません。また、活着するわけでもないので流木や石などに部分的に固定するような利用は難しいです(一時的なら可能)。とにかく前景を緑で埋めたいという使い方が合っています。
見た目は濃い緑色で独特な雰囲気のため合わせる水草を選びます。アヌビアスやミクロソリウム、ボルビティス、中〜大型のクリプトコリネ類など、濃い緑色の陰性水草と合わせると失敗が少ないでしょう。
マリモがもしリシアのような鮮やかな緑色だったなら、もっと一般的な利用がされていたかもしれません。